【プチ鹿島のプチ時評】強啓さんのような喋り手になれるように

プチ鹿島
プチ鹿島

 先週金曜日、24年間続いていたラジオ番組が最終回を迎えた。「荒川強啓デイ・キャッチ!」(TBSラジオ)である。

 1995年4月10日の初回は今でも覚えている。東京で青島幸男知事が、大阪では横山ノック知事が誕生した翌日。大きなニュースが続いた年だった。

 私は東京に出てきたはいいが毎日グズグズしていた。しかしヒマ人にも気分転換は必要だ。高円寺商店街を毎日決まってぶらぶらしていた。その夕刻は、あちこちの店の奥から強啓さんの声がラジオを通じて聞こえてきた。それぞれの店の人たちが「デイ・キャッチ」に耳を傾けながら仕事に精を出していたのだ。お客さんのにぎわいで活気づくなか「今日のニュースは何があったのかな」と汗して働いていた。AMラジオとは何か?と問われたら私はあの風景だと答える。

 なので「デイ・キャッチ」に出演できたこの5年間はうれしかった。内部で見る強啓さんは当然ジャーナリスティックで博識の方だったけど、いざ本番になると専門家に対し「はー、そうなんですか」とおおらかに朗らかに受け身を取ってみせていた。それは、あの時間帯に何かをしながらニュースも知りたい人にはちょうど良く、とても優しい「手法」だったんだと思う。懐の深い強啓さんが相手だからこそ、猛者の論客たちも心地よく喋(しゃべ)れたに違いない。みんな強啓さんに甘えていたんだ、リスナーも出演者も。シビアなニュースも取り上げるが温かい空気に包まれている。いつしか「デイ・キャッチ」は多くの人の生活の一部となった。

 この5年間、私は「ニュースプレゼンター」として気になるニュースを調べて強啓さんやアシスタントの片桐千晶さん、コメンテーターの方に報告するという担当をした(月・水)。いつもあの「夕方の商店街」の風景を思い出し、そこに届けばいいなと目標にしてやってきた。この1、2年でようやく手応えを感じ始めたばかりだった。本当に「デイ・キャッチ」には力をつけてもらいました。

 今後は少しでも、少しでも強啓さんのような喋り手になれるように頑張ります。それが恩返しです。(お笑いタレント、コラムニスト)

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

社会

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請