【横浜M】畠中、無失点も笑顔なし…“代表CB戦国時代”に挑む司令塔型CBを「読み解く」

◆明治安田生命J1リーグ▽第5節 横浜M0―0鳥栖(29日・日産スタジアム)

 1試合が行われ、横浜Mは鳥栖と0―0で引き分けた。J1通算9試合の出場ながらボリビア戦(1○0、26日・ノエスタ)で代表デビューを果たしたDF畠中槙之輔(24)は、視察した森保一監督(50)の前で無失点のアピールに成功。畠中が挑む群雄割拠の日本代表センターバック(CB)事情を、岡島智哉記者が「読み解く」。

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 無失点にしかめっ面を浮かべるCBは珍しい。DF畠中は終了の笛と同時に腰に手をやり、無念の表情で立ち尽くした。森保監督の“御前試合”で無失点に貢献。鳥栖のFW金崎、豊田の元日本代表2トップを完封したが、持ち前の展開力で得点を演出できず0―0。「点を取るところで取らないと。代表で感じたことを生かす部分に関しては不完全燃焼」。“CBの司令塔”は無得点に納得がいかない様子だった。

 現在の日本代表はかつてないほどの「CB戦国時代」にある。「日本人CBの海外挑戦は難しい」と言われたのは過去の話。欧州でレギュラーをつかんでも、招集の確約はない時代となった。FWフェルナンドトーレスやビジャらのJ参戦、欧州でプレーした日本人選手の出戻りなどで、国内組も以前より「世界」を知ることができる環境にある。

 22年カタールW杯を目指す現体制は、DF冨安健洋の台頭、DF昌子源のフランスでのレギュラー定着に伴い、主将の吉田麻也も決してレギュラーを約束されていない。ボリビアを無失点に封じたことで、畠中や三浦弦太もさらなる強豪相手への“追試”の挑戦権を得た。マンチェスターCからフローニンゲンへ期限付き移籍中の板倉滉ら、冨安に続く五輪世代からの突き上げも見込まれる。

 森保監督はCBに攻撃の組み立てを求める。この日もパスで味方を動かす役割を全うした畠中への期待も大きいはずだ。代表活動中は、テレビを通じた“研究対象”だった昌子から、パスコースの見極め方の助言を受けたという。この日がJ1通算10試合目。足りない経験を積み重ねることで、さらなる飛躍に期待がかかる。「(森保監督が)見てくれることはうれしいこと。いいプレーを続けていきたい」と畠中。唯一無二の視野と展開力を武器に、群雄割拠の日本CB界に新風を巻き起こす。(岡島 智哉)

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