eスポーツは果たしてスポーツなのか?…不可欠なのは「新たなジャンル」の構築

「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」に向けたチームドラフト会議で指名されたチーム「5年☆組〜あしんとらず学級〜」(右から4人)と指名した里崎智也氏(左)
「NPB eスポーツシリーズ スプラトゥーン2」に向けたチームドラフト会議で指名されたチーム「5年☆組〜あしんとらず学級〜」(右から4人)と指名した里崎智也氏(左)

 eスポーツは果たしてスポーツなのか―。2018年からeスポーツを取材しているが、常にぶち当たる壁だ。ゲームをより競技性の高いものにするために、もっと周知を図るために、今のところ避けては通れない道だ。ネット配信で試合を見るのではなく、生で試合現場を取材させていただくと、会場の盛り上がりや、熱気、選手の目つき、スクリーンに映し出される攻防など、「これはスポーツだ」と思う時もある。

 昨年11月に開催された野球の家庭用ゲームで行われるeスポーツ大会「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」の第3節で初めて生で観戦したが、あの盛り上がりは忘れられない。三塁線、抜ければ逆転の当たりを捕球する好プレーに、観客席から感嘆の声が漏れる。勝負の場面では選手から汗があふれ、観客は固唾(かたず)をのむ。勝敗が決まった瞬間、選手はガッツポーズ。会場は歓声と拍手でプレーヤーをたたえた。

 観戦していた50代の女性教職員は「人生初のeスポーツ大会です。楽しい! めちゃくちゃ楽しいです!」と大興奮だった。解説していた千葉ロッテマリーンズOB・里崎智也さん(42)も「見ていてドキドキします。現役のことを思い出す」と野球さながらのスリルに感嘆していた。

 昨年12月に千葉・幕張メッセで行われたデジタルカードゲームeスポーツ世界大会「Shadowverse:World Grand Prix(シャドウバース:ワールドグランプリ) 2018」。その賞金1100万ドル(1億1000万円)を日本人選手・「ふぇぐ」が獲得した。特別ゲストとしてステージに上がったサッカー元日本代表でタレントの前園真聖(45)は「相手を分析したり、駆け引きはスポーツと同じ」とコメントしている。

 観戦している側はeスポーツを「スポーツ」と“同等”にしようとしているが、選手側の意見は一様にそういうわけではない。一夜にして1億円を獲得したeふぇぐ選手は「皆さんが思い描いているスポーツとは少し違いますから、eスポーツを『スポーツのジャンル』として見るのではなく、『eスポーツというジャンル』として見てほしいです」と考えを明かした。

 東京学芸大付国際中等教育(東京)が24日、千葉・幕張メッセで「第1回全国高校eスポーツ選手権決勝大会」に参加し、初代王者に輝いた。今後も「eスポーツが繁栄してほしいか」と報道陣に問われ、ある部員は「もちろん盛り上がってほしい」としつつも、「できれば『eスポーツ』というものとして見てもらいたい」と訴えた。

 日本は「ゲーム=娯楽」という考え方が強い。それと同様に、「スポーツ=体を動かし汗をかくもの」という観念も深く根付いている。実際、将棋や囲碁、チェスを「スポーツだ」と言い切れる人は少ないだろう。今後、eスポーツをブームで終わらせないためには、先駆者たちが訴えるような「新たなジャンル」の構築が不可欠なのかもしてない。(記者コラム)

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