イチローに“3度目の正直”国民栄誉賞授与を政府が検討

 21日に現役引退を発表したマリナーズ・イチロー外野手(45)に22日、“3度目の正直”となる国民栄誉賞授与を、政府が検討に入る方針であることを明かした。これまで「プレーを続けている間はもらう立場にはない」などと2度の打診を断って辞退してきた。だが、菅義偉官房長官は、「数多くの輝かしい記録を樹立し、日米の野球ファンを魅了した」などと前向きな姿勢を示した。イチローはこの日、成田空港からシアトルに向かった。

 もはや異論はない。イチローの引退から一夜明けた22日。菅官房長官はイチローの国民栄誉賞について「国民にそうした声があることは十分認識しているが、現役引退を公表されたばかりであり、現時点では何も決まっていない」としながらも「数多くの輝かしい記録を樹立し、日米の野球ファンを魅了した」と評価し、今後授与を検討していく考えを明らかにした。

 これまでもMVPを受賞したメジャー1年目の2001年、シーズン最多安打記録を更新した04年にも、日本政府はイチローに国民栄誉賞を打診。だが、「プレーを続けている間はもらう立場にはない」などと、現役中は受け取らない姿勢を示して辞退してきた。野球・福本豊氏、作曲家・古関裕而氏が辞退した例(古関氏は遺族が辞退)はあるが、2度の辞退は唯一。現役を引退したことで、3度目の打診を受けた際にはイチローも前向きに受け取ることになりそうだ。

 野球選手ではこれまで、王貞治、衣笠祥雄、長嶋茂雄、松井秀喜の4氏が国民栄誉賞を受賞。イチローが残した日米通算4367安打、生涯打率3割2分2厘の成績やメジャー初の日本人野手の先駆者となったこと、WBC2連覇(06、09年)への貢献度を加味すると、これまでの受賞者とも全く引けを取らない。

 マリナーズナインは21日のアスレチックス戦(東京D)終了後、すぐに羽田空港に移動して本拠地・シアトルにチャーター機で帰国したが、午前1時30分頃まで会見を行ったイチローは同便には同乗しなかった。シアトルでは23、24日(日本時間24、25日)にファンフェスタ、25、26日(同26、27日)にオープン戦・パドレス戦が予定され、28日(同29日)から開幕カード・Rソックス戦が組まれている。いずれかのタイミングで現地のファンに引退のあいさつやセレモニーが行われることが濃厚だ。

 会見の冒頭では「今まで応援してくれた方々への思い、球団関係者、そしてチームメートに感謝を申し上げて」と話していた背番号51だが、周囲のフィーバーはまだまだ続きそうだ。

 ◆イチローと国民栄誉賞

 ▼2001年 日本人野手初のメジャーリーガーとして1年目ながら242安打を放ってMVP、首位打者、盗塁王などを獲得した活躍をたたえて、小泉首相政権が受賞の連絡を取ったが、「まだ若いので、できれば辞退したい。いただけるものなら、野球人生が終わったときにいただけるよう頑張りたい」と辞退。

 ▼04年 84年ぶりにメジャー記録を塗り替えるシーズン262安打を樹立し、再び小泉首相ら首相官邸が打診したが「プレーを続けている間はもらう立場にはない。野球生活を終え、本当にやり切った時に、もしいただけるならば大変ありがたい」と断った。

 ▼16年 ピート・ローズが持っていた通算4256安打の記録を日米通算で塗り替え、安倍首相も「すごい記録だと思う。日本の選手が再び金字塔を打ち立てた。日本人として本当に誇りに思う」とたたえて、授与の機運が高まったが、正式な打診には至らず。

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