【無良崇人の目】羽生、チェン、宇野の三つ巴…男子展望

フィギュア世界選手権出場の男子選手
フィギュア世界選手権出場の男子選手

 スポーツ報知では世界選手権から男子フィギュアスケートは無良崇人さん(28)が解説する。五輪連覇で絶対王者の羽生結弦、今季の四大陸選手権で主要国際大会初優勝を飾った宇野昌磨(21)=トヨタ自動車=、GPファイナル覇者で今季無敗のネーサン・チェン(19)=米国=の3強によるハイレベル決戦を占った。

 今季から導入された新ルールは出来栄え点(GOE)の幅が7から11に広がりました。全体のクオリティーで勝負する羽生選手、4回転という大技で勝負にくるチェン選手と、前戦の四大陸選手権で高評価を得た宇野選手の3人の争いになるとみています。

 加点がつきやすいジャンプも、時代とともに変わってきました。昔は高さ重視。今は美しい放物線を描けているかどうか。高さがある程度あり、着氷し、きれいに後ろに流れるジャンプが求められます。羽生選手がそう。エントリー(入り)からエンド(着氷)はもちろん、その前後を含め加点がつきやすい。

 他の選手と比べて難しいステップからジャンプに入ります。細かいことをやりながら同じ跳び出しをすることは、絶対的な自信がなければできない。特に4回転は上がる瞬間に、ちょっとでも「違う」と感じたら失敗になることが多い。羽生選手は若干のズレなら修正ができるくらいストライクゾーンが広い。動きの再現性が高いのです。

 昨年11月以来、4か月ぶりの実戦ですが、心配はないでしょう。あのレベルまでいくと一発の集中力がすごい。仮に直前の6分間練習まで調子が悪くても、本番の一発を集中力で跳んでしまうくらいのものを持っている。不安よりも「絶対やってやる」という気持ちの方が先にあるのではないでしょうか。

 宇野選手が昨季から一番大きく変化したことは「120%の無謀なこと」をやらなくなったことです。今できる確実なものをしっかりやるという方向にスイッチしたのは大きかった。今までは多少、調子が悪いのに高難度のジャンプを投入し、ミスに引きずられるということがありました。

 今季は予定する内容をどれだけ完璧に近づけられるかということをやり続けてきたことが、四大陸選手権の優勝につながったのでしょう。世界選手権で、もうひと皮むけた姿が見られるのかなと期待しています。

 チェン選手はルッツ、フリップという高難度の多種類の4回転を持っています。それをいかに決めきれるか。宇野選手とチェン選手は徐々に演技構成点を上げてきていることも強みです。

 シーズン最後の大きな試合なので点数は出やすい傾向にあるのでは。シーズン最高得点が見られるのではないでしょうか。新ルールで最初のチャンピオンが誰になるのか楽しみです。(14年四大陸選手権優勝)

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