萩野公介“無期限休養”4月の日本選手権は欠場

スポーツ報知
18年8月、パンパシ水泳の練習で平井コーチ(右)と話す萩野

 競泳の2016年リオデジャネイロ五輪400メートル個人メドレー金メダリストの萩野公介(24)=ブリヂストン=が15日、今夏の世界選手権代表選考を兼ねた4月の日本選手権(東京・辰巳)を欠場するとマネジメント会社を通じて発表した。モチベーションの維持の難しさなどを理由に挙げており、現在は練習も行っていない。20年東京五輪を目指すことには変わりないが、スケジュールは白紙で世界選手権も事実上断念。五輪前年に“無期限休養”する異例の事態となった。

 萩野が苦渋の決断を下した。この日午前に、日本選手権出場を見送ることを発表した。「理想と現実の結果の差が少しずつ自分の中で開いていき、モチベーションを保つことがきつくなっていきました。今は競技に正面から向き合える気持ちではない」などと、苦悩をにじませる言葉が並んだ。

 日本選手権は代表選考会を兼ねる。欠場なら金メダル獲得で東京五輪代表に内定する7月の世界選手権(韓国・光州)への切符も取れない。復帰時期は未定で、実質的な“無期限休養”となる。

 16年リオ五輪では、400メートル個人メドレーで4分6秒05の日本記録をマークして金メダリストになるなど、3つのメダルを獲得。だが、その後は順風満帆ではなかった。同年9月に、五輪前年に骨折した右肘を手術してから不振に。金を取った400個メでは、好タイムの目安とされる4分10秒切りすら一度もない。2月のコナミオープンの同種目予選では4分23秒66と自らの日本記録から17秒61も遅れた。病院で血液検査も受けたが、異常なし。原因を精神面に求め、2月中旬からのスペイン合宿も回避していた。

 指導する平井伯昌コーチ(55)はこの日、スペインから帰国。「練習は近年では一番できていたが、競技会では別人になる」。野球やゴルフでいう“イップス”のような状態を指摘した。電話で欠場報告を受けた際も「元気がなかった」と明かし「五輪に向けて今年エントリーしないことはプラスではない。危機的状況をプラスに変えられるよう、解決方法を考えたい」と険しい表情だった。今週に入り練習もしていないが、今後は「白紙。何も考えていない。どうするかは彼自身が決めること」と本人に委ねる構えだ。

 日本選手権は、白血病で闘病中の池江璃花子(18)=ルネサンス=も欠場が決まっており、男女のエースが不在。萩野の関係者は「東京五輪を諦めたわけでは全くない」と、あくまで来年を見据えた上の決断と説明した。平井氏は日本選手権に出ず、世界選手権代表2次選考となる5月のジャパンオープンだけに出て代表となることは「普通はない」とした。五輪代表入りには、来年4月予定の日本選手権での一発勝負となる。「自分の心ともう一度しっかり向き合いたい」と萩野。天才スイマーが厳しい現実にあえいでいる。

 ◆萩野 公介(はぎの・こうすけ)1994年8月15日、栃木・小山市生まれ。24歳。生後6か月で水泳を始める。12年ロンドン五輪400メートル個人メドレー銅メダル、13年世界選手権200メートル個人メドレー、400メートル自由形銀。16年リオ五輪は個人メドレーで400メートル金メダル、200メートル銀、800メートルリレー銅。13年日本選手権では史上初の5冠を達成。177センチ、71キロ。家族は両親。

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