2020年東京五輪マラソン代表選考会(MGC、9月15日)の出場権を持つ服部勇馬(25)=トヨタ自動車=、上門大祐(25)=大塚製薬=、二岡康平(25)=中電工=が15日、成田空港発のニュージーランド航空機で日本陸連主催のニュージーランド・ネルソン合宿に出発した。MGCまで、ちょうど半年。ニュージーランド合宿では「マラソン日本復活」のため、チームの垣根を越えて互いにレベルアップを図る。合宿は4月上旬まで。服部は3月下旬に帰国し、代わって藤川拓也(26)=中国電力=が途中から参加する。
昨年の福岡国際マラソンで日本人選手として14年ぶりの優勝を果たし「速さ」より「強さ」を見せつけた服部は、充実の表情を見せてニュージーランドへ旅立った。出場予定だった青梅マラソン30キロ(2月17日)は疲労のため、欠場したが「2月下旬から予定通りの練習ができています。ニュージーランドでは毎日40~45キロをじっくりと走り込むつもりです」と説明した。
国内のMGCシリーズは終了。4月末までワイルドカードによる進出の可能性があるが、ここまで男子は30人が出場権を獲得した。「大迫傑さん、設楽悠太さん、井上大仁さんの3強を崩せるように頑張りたいと思っています。東京マラソン(3日)で前半ハイペースで突っ込んだ佐藤悠基さん、中村匠吾さんも強い。ただ、他の選手より、まず自分。いい状態でレースを迎えることが一番、大事です」と服部はきっぱり話した。
東洋大時代から世界を意識し、マラソンに挑戦していた服部はMGCに向けても徐々にイメージをふくらませている。東京五輪とほぼ同じコースで行われるMGCは35キロ以降に約30メートルを駆け上がる。トヨタ自動車所属で普段は愛知を練習拠点としている服部は「東京に来た時は必ず東京マラソンとMGCのコースを走ってイメージトレーニングしています。飯田橋から四谷の上り坂は箱根駅伝2区の終盤の上り坂に比べれば緩やか。でも、35キロを走ってから、と考えればやはりきついだろうし、勝負所になるでしょう」と冷静に語った。
服部はニュージーランドから帰国後、日本グランプリシリーズ熊本大会・金栗記念選抜陸上中長距離大会5000メートル(4月14日)に出場予定。NHK大河ドラマ「いだてん」のモデル金栗四三氏の名を冠した大会から勝負の新シーズンをスタートさせる。