【田中恒成VS田口良一 世界戦平成最後の日本人対決】<中>井上尚弥が倒せなかった田口の防御力

13年8月、井上尚(左)に判定で敗れ、王座から陥落した田口
13年8月、井上尚(左)に判定で敗れ、王座から陥落した田口

◆プロボクシング▽WBO世界フライ級(50・8キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・田中恒成―同級4位・田口良一(16日・岐阜メモリアルセンターで愛ドーム)

 16日に世界3階級王者・田中恒成と元WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者・田口良一が拳を合わせる。スポーツ報知の連載第2回は、WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(25)=大橋=が、2013年8月の日本ライトフライ級タイトルマッチで戦った王者・田口の隠れた技術を語った。14日は、田中と田口はそれぞれ調整に専念した。

 田口を語る上で外せない試合は井上との激闘だ。13年8月、井上は初防衛を目指した日本ライトフライ級王者の田口に判定勝ちし、日本最速タイのプロ4戦目で王座獲得。のちに3階級制覇へ駆け上がったモンスターは、6年前の記憶をたどった。

 リング上で構え合うと、王者に対して違和感を覚えた。「想定より当てにくい。構えに懐の深さがあった。ボディーワークがうまくて紙一重で当たらない。数センチの差なんですけど」。上半身をわずかに引いて威力を逃がす巧みなスウェーバック。井上がいつ倒すか―という戦前の予想が両者ダウンもなく判定にもつれた。

 今ではプロ17勝15KOの井上がKOを逃した試合。再三の左フック、ボディーにも田口は倒れなかった。「数センチずれることで、倒せるパンチが倒せないパンチになった」。試合の1年前にもスパーリングで手合わせ。19歳の井上が3ラウンドで2度のダウンを奪ったが、練習で感じなかった技術が本番のリングには詰まっていた。

 スパーで完敗した田口は悔しさのあまり「人陰で泣いた」と明かし「あんな強い選手相手に倒れなかったのは自信になった」と糧にした。井上にとっても転機になっていた。

 「初のタイトルマッチで壁になった。あの試合を機に、もっと重心を落としてダメージを与えるスタイルになった。プロとして倒すボクシングを見せなきゃ、と」。破壊的なKO勝利で世界に衝撃を与える井上の背景には、田口の奮闘がある。(浜田 洋平)

 ◆日本ライトフライ級タイトルマッチ(13年8月25日、神奈川・座間市民体育館、観衆4000)同級1位・井上は序盤から鋭利なステップで田口を圧倒。2回には左フックを合わせてぐらつかせた。最終回は陣営の指示に反し乱打戦に。粘る田口も左フックなどで応戦したが、3―0で井上の判定勝ち。地元で辰吉丈一郎に並ぶプロ4戦目で日本王座を獲得した。

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