リーグ戦初登板なるか 両投げ両打ちの立大・赤塚瑞樹投手

特注グラブを手に今季の活躍を誓う赤塚
特注グラブを手に今季の活躍を誓う赤塚

 野球取材に携わって17年目。1月から初めてアマ野球を担当することになった。これまで、手伝いで高校や大学の試合を取材したことはあるが、担当となるとまるっきり初めてのこと。プロと勝手が違うことも多いが、何より困るのはほとんどの選手が顔も名前も分からないことだ。失礼ながらメンバー表を片手に、背番号を頼りに選手を識別している。

 2月20日、立大と東京国際大のオープン戦を訪れるとメンバー表に見慣れない表記を見つけた。投打の欄に「両両」とある。知ってる人は知ってるのかもしれないが、これまた失礼ながらそういう選手がいることを初めて知った。立大新4年の赤塚瑞樹投手。右はMAX141キロ、左はMAX132キロを投げる、岐阜・麗沢瑞浪(れいたくみずなみ)高出身の両投げ両打ちの投手だ。

 マウンドに上がると、その独特のルーチンでときには相手ベンチからもどよめきが起こるという。まず右で真っすぐとスライダーを1球ずつ投げ、次は左で真っすぐとスライダーを1球ずつ。再び右でカーブを投げると、次は左でカーブ。最後は次の打者に投げる方で投げ、対戦に備える。基本は右打者には右、左打者には左で投げるが、状況次第ではその限りではない。ちなみに先発したこの日は、「右の調子がよかったので、その流れに乗っていこうと思った」と右だけで、3回を4奪三振のパーフェクト。アピールに成功した。

 両投両打の原点は小学校2年生までさかのぼる。元々は右利きで、小1で野球を始めたころは右だけで投げていた。しかし父・浩樹さんの勧めで、小2から両投げに転向。右投手だった浩樹さんは脇腹を痛めた経験があり、両投げが有利だと考えたとか。両打ちはバランスも考えて、ほぼ始めた当初からだったという。長い時間をかけて、自慢の個性を磨いてきた。

 大事な相棒も年季が入っている。両手にはめることができる6本指の特注グラブは、小5の誕生日プレゼントだった。本来は軟式用だが、革が厚手だったため硬式を使うようになってからもそのまま使っている。「このグラブを使う前は、右で投げてて調子が悪くなったら、ベンチから左用のグラブを持ってきてもらうような感じでした」。打者によって投げる手を変える真の両投げを続けるには、不可欠なパートナーだ。

 立大・溝口智成監督(51)は「力量的には右の方が格段に上」と両投げには懐疑的な目を向けるが、本人はあくまで両投げにこだわり続けるつもりだ。「このまま両方でいきたい。持ち味は両方で投げられることだと思うし、人にはできない野球の楽しみ方ができる。右は勢いで左はコンビネーション。持ち味を生かして、自分だけのピッチングをしていきたい」と力強く語った。

 2年秋のフレッシュトーナメントで神宮デビューは果たしているが、リーグ戦の登板はなし。「今年は最終学年。リーグ戦で投げたい思いは強いです」。二刀流ならぬ「二投流」が、神宮を沸かせる日を楽しみにしている。(記者コラム・山口 泰史)

 ◇赤塚 瑞樹(あかつか・みずき)1997年11月26日、岐阜市生まれ。21歳。岐阜大付小1年から野球を始め、城西スポーツ少年団で投手。岐阜大付中ではドリームス岐阜北ボーイズに所属。麗沢瑞浪(れいたくみずなみ)高で右翼兼投手として3年春の岐阜県大会8強が最高。持ち球は左右とも直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ。177センチ、75キロ。両投両打。O型。

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