【有森裕子コラム】スポーツの社会的意義積み重ねが復興つながる

 今日で東日本大震災からちょうど8年を迎えました。現在も、多くの方が復興に向けて力を尽くしているかと思います。同時に、昨年は各地で多くの天災が発生しましたが、被災地では元の生活を取り戻そうと努力をされている方もいます。

 そんな中、私は2月24日に岡山県総社市で開催された「そうじゃ吉備路マラソン」に参加してきました。初めて「復興支援」と冠した大会は、昨年の西日本豪雨、北海道地震へのチャリティーとして開催され、2万1228人が出場しました。岡山県は西日本豪雨で大きな被害を受けましたが、その被災地を元気づけようという、意義のある大会だったと思います。

 とはいえ、日本でのスポーツ大会とチャリティーの結び付きというものは、海外と比べるとまだまだという印象があります。スポーツが何をもって社会に貢献できるかを考える中で、多くの選手や観客が集まる大会は、チャリティーや情報発信の可能性を持つ場所。とりわけ、マラソンは子供から大人まで、さらにプロアスリートから一般ランナーまでが一つの大会に同時に参加することができる数少ない競技ということでメッセージを伝えやすく、役割は大きいと考えています。

 2020年の東京五輪・パラリンピックは、東日本大震災からの「復興五輪」と位置づけられて誘致が進められました。私もその気持ちを胸にロビー活動に参加し、開催決定時にはガッツポーズをしました。ただ、その後に出て来た話題を聞けば聞くほど、残念な気持ちになりました。何をもって「復興五輪」とするのかという点が、ぼやけてしまっているのは否めません。

 日常的に開催される大会の中で、スポーツの社会的意義をほんのわずかでもいいので示す。その積み重ねが五輪を開催する意味を国民が知ることになり、ひいては「復興五輪」として後世に伝えられていくのではないかと思います。(女子マラソン五輪メダリスト)

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