勝みなみ、「笑顔でプレー」で世界一愛される選手に

「世界一愛されるゴルファーになる」と目標を掲げる勝みなみ (カメラ・小泉 洋樹)
「世界一愛されるゴルファーになる」と目標を掲げる勝みなみ (カメラ・小泉 洋樹)
昨年12月のLPGA年間表彰式で敢闘賞を受賞した勝(中央。左は新垣比菜、右は小祝さくら)。成人式用の着物を“予行演習”で着ていた
昨年12月のLPGA年間表彰式で敢闘賞を受賞した勝(中央。左は新垣比菜、右は小祝さくら)。成人式用の着物を“予行演習”で着ていた

 国内女子プロゴルフツアーは7日からのダイキンオーキッドレディス(沖縄)で開幕した。2019シーズンは、昨年11月の大王製紙エリエールレディスでプロでは初優勝となる通算2勝目を飾った勝みなみ(20)=明治安田生命=が注目される。若手の台頭著しい女子ゴルフ界で中心にいる1998年度生まれ「黄金世代」の筆頭格。「笑顔でプレー」をテーマに掲げる二十歳の素顔に迫った。

 プロとしてツアー本格参戦1年目となった昨季は1勝を含め、賞金ランク9位と活躍した。夏場からは9戦で予選通過1度という不振を乗り越え、初優勝は大きな自信になったのでは。

 「優勝したエリエールレディスでは(初日に)2発もOBを打ったけど、楽しくやれていました。どう楽しむか、自然とできていたと思います。試合を通して成長した部分を感じ、かなり自信になりました。だから次の週の(メジャーの)ツアー選手権リコーカップ(5位)も優勝争いができ、いい形で終わることができました」

 4日間の大会(女子は3日間が多い)を勝ったことで年間4大会しかない国内メジャー制覇も見えてくる。

 「あまり(自分の中で)意味づけはないですけど、メジャー大会は一つのステータス。一つの試合という意識でやりたいけど、心の中では特別というのはあります。いつかは勝ちたい。同じ鹿児島市出身の稲森佑貴選手(24)の日本オープン(昨年10月)のツアー初優勝も刺激になりました」

 昨年の部門別データを見ると、平均パット数(1・7502)が全体2位とグリーン上が好調だった。

 「パッティングは、アマチュアの時はカップに入ってはいたけど、リズムが良くなく、ボールの転がりも納得いくものではありませんでした。去年、いろんなプロのパッティングを見て、自分なりに研究しました。パターの持ち方や、フェースの位置、足とボールの距離を見たりします。(昨年)3月の2戦目からリズムよく打てるようになりました」

 一方、フェアウェーキープ率(55・44%)が全体90位とドライバーショットに課題が残った。今オフは、新トレーナーとしてタッグを組む大迫伸二氏(昨年は元賞金女王で韓国のイ・ボミを指導)と、1月28日~2月9日のタイ合宿で下半身を中心に鍛えた。

 「合宿は午前中にラウンドして、午後にトレーニング。トレーナーさん(大迫氏)に来てもらい、今までにないトレーニング方法で、新鮮な気持ちで楽しくできました。ジャンプ系の練習だけで何種類もあり、スイングをする中で体の使い方が変わってきました。(クラブを振りかぶって)切り返す時に、力をボールに伝えるのがうまくなりました。そこは去年と違うところです。飛距離も測っていないけど(実感として)伸びています」

 1月には地元・鹿児島市で成人式に出席し、友人も活躍を喜んでくれた。

 「式では友達と写真を撮ったりしました。同窓会でも『おめでとう』と言ってもらい、うれしかった。優勝してよかったなって思います」

 ゴルフ以外の息抜きは「食」だという。

 「おいしいものをゆっくり味わって食べるのが好き。友達と出掛けて、いろんな話をするのが楽しい。みんな悩みはいっぱいあるので、聞いてリラックスさせてあげたいし、私も話したり。(同期の小倉)ひまわり(20)と(好物の韓国料理店が多い都内の)新大久保に出掛けたりします。家でも母(久美さん)がナムルを作ってくれます」

 昨年は年間37試合(全38試合中)を転戦した。遠征先のグルメも楽しみの一つになっている。

 「大学生の友達も地方に行っているので、おいしいお店がどこかを聞いたりします。(優勝した大会が行われた愛媛では)友達のお父さんが薦めてくれた和食のお店でコース料理を頼んで、おなかいっぱい食べました」

 昨年7月に20歳になって、お酒も飲めるようになった。

 「(お酒は)飲んでも飲まれないように気をつけないと(笑い)。弱くないから、飲めちゃうんですよ。昨年末に、父(秀樹さん)と初めて飲みに行こうってなり、父は『こんなふうに娘と飲めるなんて』って泣きながら飲んでいました。私も、同じペースで日本酒(冷酒)を飲んでいたら、酔っ払って…」

 女子ツアーはすでに開幕したが、勝はもうすぐ開幕するプロ野球の新シーズンにも注目している。高校1年でアマチュアでツアー優勝した直後の14年4月には鹿児島・鴨池球場で巨人・原辰徳監督と初対面した。自身は大の阪神ファンで有名だが。

 「原監督イコール巨人というイメージです。(4年ぶりに)戻ってきて、野球界もさらに盛り上がる。『一緒にラウンドしよう』と言っていただいて、まだ回れていないけど機会があれば、ぜひ、ご一緒させてください。阪神も頑張ってほしいけど、いろんな球団に頑張ってほしい。巨人と阪神で優勝争いをしてくれたらうれしい」

 ゴルフでの今年の目標は。

 「今年は笑顔で1年間戦うことが目標です。去年優勝できたのも笑顔で楽しくやっていたからこそ、つかみ取れました。苦しんでいて表情が引きつっている時は自分でも分かります。笑顔の人と一緒に仕事をすると、自然とこっちも笑顔になる。私も何度かトーナメントを見に行きましたけど、笑顔の選手を応援したくなります。それを楽しみに来てくださるギャラリーの方も多いと思います」

 17年7月のプロテスト合格時には「世界一愛される選手になる」と目標を掲げ、その思いは今でも変わらない。

 「世界一愛されるゴルファーになるためには強くないといけない。人間的にも認められる素晴らしい選手になれるように、進んでいきたい。一つ一つの試合でしっかり目標を決めて、今に集中して頑張りたい。その先に気づいたら賞金女王になっていた、というのが理想です」(ペン・榎本 友一、岩原 正幸)

 ◆勝 みなみ(かつ・みなみ)1998年7月1日、鹿児島市生まれ。20歳。8歳からゴルフを始める。鹿児島高1年時の2014年4月、KKT杯バンテリンレディスで日本女子ツアー史上最年少の15歳293日で優勝。73年の清元登子、03年の宮里藍に続く快挙となった。17年のプロテストに一発合格。昨季の賞金ランクは9位(6559万1278円)。157センチ、56キロ。

「世界一愛されるゴルファーになる」と目標を掲げる勝みなみ (カメラ・小泉 洋樹)
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