カトパンはフジテレビの救世主になれるのか?…改編会見で見せた“奇跡の瞬間”

フジ夕方の報道番組「Live News it!」で初の報道キャスターに挑戦する加藤綾子アナ(中央、左は木村拓也アナ、右は風間晋解説委員)
フジ夕方の報道番組「Live News it!」で初の報道キャスターに挑戦する加藤綾子アナ(中央、左は木村拓也アナ、右は風間晋解説委員)
6日に行われたフジテレビの4月番組改編会見で笑顔を見せる加藤綾子アナウンサー
6日に行われたフジテレビの4月番組改編会見で笑顔を見せる加藤綾子アナウンサー

 フリーの加藤綾子アナウンサー(33)は、なぜ「カトパン」として、これほどもてはやされ、抜群の人気を誇るのか。その秘密を垣間見た一瞬があった。

 6日、東京・台場のヒルトン東京お台場に約80人の放送担当記者を集めて行われたフジテレビの4月番組改編発表会見。同局は昨年4月、「みなさんのおかげでした」「めちゃ×2イケてるッ!」など長年続いた大型バラエティーを軒並み終了させる「史上最大の改編」を断行した。

 それから1年、ゴールデンタイムだけで10個の新番組をスタートさせるなど、新しい風を吹き込んだことで、徐々に業績を回復。看板ドラマ枠「月9」が昨年4月クールの「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」以来、1年間に渡って平均視聴率2ケタを記録し続けるなど、ドラマ、バラエティー部門では、ある程度の復活を遂げた。

 そして、最後に残ったのが、この日の会見で斎藤翼編成部長が明かした「今回の改編の目玉として、ゴールデン帯への入り口となる夕方のニュース番組の刷新」―。多くの視聴者が集うゴールデンタイムへの“呼び水”としての夕方のニュース番組の強化だった。

 番組名も「Live News it!」(月~金曜・後4時50分)に一新し、4月1日からスタートする大型報道番組の切り札が、メインキャスターに就任する加藤アナだった。

 この日の会見に清楚(せいそ)な白のブラウスに黒のタイトスカートで登場すると、出演オファーを受けた時の気持ちを聞かれ、「驚きました。私で大丈夫かなと―」と苦笑。「でも、(スタッフの)皆さんとお話して、頑張りたいという気持ちがフツフツと沸いてきました。地道に真摯に取り組んでいきたいと思っています」と今度は満面の笑みを浮かべた。

 放送開始まで1か月を切ったが、「いよいよ迫ってきたなという感じで、日々、わくわく感と緊張感が増してきているなと感じています。番組が4月1日の新元号発表の日にスタート。平成最後、そして、新しい時代の幕開けの時に報道キャスターを任せていただけるのは光栄に思っています」と目を輝かせたカトパンが、その魅力を全開にしたのが、その後のひな壇上でのやり取りだった。

 ともにキャスターを務めるフジ時代からの後輩・木村拓也アナ(28)が「緊張し過ぎて手に汗をかいていて。加藤さんに(会見前に)裏で背中をパンと強く押していただいて」と明かすと、加藤アナは「私の緊張感をぶつけただけです」と木村アナの方に手をさしのべ、集まった記者たちの爆笑を誘った。

 すかさず、司会の三宅正治アナが「(キャスター陣の)コミュニケーション、いいですね~」とツッコんだ。そう、一瞬で場をなごませた加藤アナの笑顔でのアドリブを的確に切り取った「コミュニケーション」という言葉こそ、その魅力を語るキーワードだ。

 加藤アナは08年に民放3局の入社試験に同時に合格した「スーパー綾子」としてフジに入社すると、明るい笑顔と天真らんまんなキャラクターでスポーツ番組やバラエティーで大活躍。16年に退局し、フリーに転身した後も数多くのバラエティー番組に引っ張りだこのスターアナだ。

 しかし、先月22日のフジテレビの定例社長会見で宮内正喜社長(74)が加藤アナの起用を正式発表して以来、私の胸には「いくら、バラエティーや情報番組で人気があっても、報道番組のキャスターだけは勝手が違うのではないか?」という疑問があった。

 しかし、加藤アナの「めざましテレビ」出演以来の上司で、この日の会見には同局報道全般の責任者として出席した報道センター編集長・織田雅彦氏の言葉が、そんな疑問を払拭してくれた。

 「報道キャスターにはニュースの経験、見識も大事ですが、コミュニケーション能力とニュースの中に登場してくる方の気持ち、視聴者の気持ちの心のヒダをつかみ取る能力こそが必要なんです。コミュニケーション能力の高さ、周りの雰囲気をつかんで、どう表現すればいいのかを的確につかむという点で、加藤さんを非常に評価しています。視聴者と番組との間を結びつけて行く、その能力に大いに期待しています」と織田編集長は話した。

 そう、冒頭での後輩・木村アナとのやり取りで一瞬にして場の雰囲気を和ませた抜群の存在感、コミュニケーション能力こそがカトパンの武器なのだ。

 しかし、織田編集長が「加藤さんの起用で即、他局との競争に勝てるなんて甘いことは考えていません」と正直に明かした通り、同番組のこれからには険しい道が待っている。同時間帯の日本テレビ系「news every.」に平均視聴率でダブルスコアの差を付けられているのは事実だし、コロコロと変わる番組名にも、この日の会見で厳しい質問が飛んだ。

 フジの報道番組名は亀山千広前社長時代の2015年3月に21年間続いた「ニュースJAPAN」から「あしたのニュース」に。しかし、わずか1年で16年4月から「ユアタイム」に変更。宮内社長が就任した17年10月から「THE NEWS α」、18年4月から「FNNプライムニュース α」と次々と変更。4月からの「Live News α」で4年の間に5度目の変更と、視聴者が落ち着かない“改名”が繰り返されてきた。

 そんなマイナスの歴史にピリオドを打つべく、切り札として起用されたのが、加藤アナ。この日、編成・報道全体の責任者・石原隆取締役は言った。「分かりやすく間口が広いニュース番組を目指したい」。そう、その言葉を体現する存在こそが、カトパン。4月1日の番組開始が待ち遠しい―。この日の会見で、その魅力の一端に触れた私も正直にそう思った。(記者コラム・中村 健吾)

フジ夕方の報道番組「Live News it!」で初の報道キャスターに挑戦する加藤綾子アナ(中央、左は木村拓也アナ、右は風間晋解説委員)
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