元近鉄・楽天の川口憲史さん、地元福岡でパン職人に いてまえ戦士は黙って味で勝負

自慢のパンを紹介する憲史さん、後ろのバットは中村紀洋さんのもの
自慢のパンを紹介する憲史さん、後ろのバットは中村紀洋さんのもの
2005年開幕戦、球団公式戦初打点となる二塁打を放つ楽天・川口憲史
2005年開幕戦、球団公式戦初打点となる二塁打を放つ楽天・川口憲史
2010年の交流戦・巨人戦で9回に同点2点タイムリーを放った憲史(左)はベンチで手洗い祝福を受ける
2010年の交流戦・巨人戦で9回に同点2点タイムリーを放った憲史(左)はベンチで手洗い祝福を受ける

 元近鉄、楽天で打者として活躍した川口憲史さん(42)の朝は早い。日の出前の朝3時には起床し、仕事に取りかかる。「(現役時代の)ナイターだったら、3時か4時まで(お酒を)飲んでいましたから。当時飲んでいる時間に今は仕事を始めていますからね」。憲史さんはそう言って笑った。現在は地元・福岡でパン&ベーグル「hands hands」のオーナーを務め、妻・道子さんとパン作りをしている。

 ◆宣伝活動はほぼなし 口コミでお客さんが増える

 憲史さんが現役中、道子さんはパンやケーキの職人として働いていたこともあり、「(現役を)辞めさせたら食べさせてくれってね」。16年間の現役生活を終え、引退後の2012年に地元・福岡で開業した。憲史さんは生地作りとオーブンの担当だ。「(パンの)成形は嫁さんが担当しています。生地作りは難しいですね。毎日怒られながらやっています」。気温、湿度の違いによって小麦粉などの分量も変える必要が出て来る。「本当に難しいですね。でも面白い。水の量や粉の量が少し変わるだけで違うものになる。湿度も考えないといけないし、水を多くしすぎてもベチャッとなりますし…。最近はようやくスムーズに行くようになりました」そう言って笑う憲史さんの傍らで道子さんは「(憲史さんは)上手ですよ。何でも適用出来ますし、やれば出来るタイプですね」とほほ笑んだ。

 店の名物はベーグルだ。発酵した後、“ゆでる”必要があり手間がかかる。現在はベーグル約20種類、菓子パンや食パンなど約10種類が店頭に並ぶ。「全部売り切ったら“ヨシッ”と思うし、早く売り切れたら『もっと作れば』と思います」。曜日や天候とにらめっこしながら、日々取り組んでいる。

 オープン直後こそ近隣にチラシを入れたが、宣伝活動はそれだけ。福岡市西区の最西端。最寄り駅は福岡市営地下鉄が乗り入れているJR九州・筑肥線の周船寺駅。バイパス道路から1本中に入った通りに自宅兼店舗がある。自然と住宅に囲まれ目立たない場所にあるが、それでも“おいしい”と口コミで評判を呼び、毎年右肩上がりに売り上げを伸ばしている。近所のスーパーマーケットからも依頼を受け商品を置くようになった。「糸島に観光に行く帰りに寄ってくれたりしているようです」。

 ファンが訪ねてくることもあるが、元プロ野球選手であることはあえて言っていない。「声をかけてくれる人もいるけれど、ほとんどの人は知らないです。単なる“パン屋のおっちゃん”として接してくれるし、それが逆にうれしいです」。

 取材も極力断っている。「『元プロ野球選手の―』ってなるじゃないですか。その時だけお客さんが増えてもきちんと対応できなくなることもありますよね。(夫婦)2人でやっているので…。こんな所でも売れるというか、おいしかったら買いに来てくれる。リピートしてくれるとうれしいです。年数かけてコツコツですよ」

自慢のパンを紹介する憲史さん、後ろのバットは中村紀洋さんのもの
2005年開幕戦、球団公式戦初打点となる二塁打を放つ楽天・川口憲史
2010年の交流戦・巨人戦で9回に同点2点タイムリーを放った憲史(左)はベンチで手洗い祝福を受ける
2001年日本シリーズ ローズの3ランにベンチ前で川口(61)ら近鉄ナインはお祭り騒ぎ
お客さんからプレゼントされた木彫りの熊、どことなく憲史さんに似ている!?
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