【G大阪】小野瀬、人生初タイトルを「チームでほしい」…J1開幕ロングインタビュー

開幕直前のインタビューに応じたG大阪MF小野瀬
開幕直前のインタビューに応じたG大阪MF小野瀬

 昨季J1残留争いに巻き込まれたG大阪にシーズン途中に加入し、“残留の立役者”となったMF小野瀬康介(25)が2019シーズンの開幕を前にスポーツ報知のインタビューに応じた。昨季J2降格圏に沈んでいたチームに加入し、後半戦の9連勝に大きく貢献したことで、G大阪サポーターから熱烈な支持を集めた小野瀬。今季クラブはACL圏内という目標を掲げ、23日・横浜M戦(パナスタ)からスタートする2019年シーズンに向け、背番号を8に変更して挑む今季への思いなどを語った。(取材・構成 金川誉)

 新たに背負う背番号8は、クラブからの期待の表れだ。昨夏、どん底のチーム状況の中でJ2山口から加入すると、背番号50を背負って攻守に奮闘し、J1残留に大きく貢献した小野瀬。今季は1けたの番号を背負い、主力のひとりとして新たなシーズンに挑むことになった。

 「(背番号変更は)自分の希望もありました。クラブからも番号どうすると言ってもらって。『8番空いているぞ』と言ってもらった。『空いているなら、つけたいです』と言いました。山口で8番だったので、僕にとっては縁起の良い番号なので」

 昨季、シーズン途中に就任した宮本恒靖監督が、まず動いたのが、当時J2山口で10ゴールとブレークしていた小野瀬の獲得だった。宮本監督からの直接電話で、獲得への熱意をぶつけられた。

 「まず獲得前に電話で話したときも、ストロングを出してほしい、チームを助けてほしいと言われました。直接電話できたのは、(移籍の)決め手だったと思います。当時、山口もいい順位にいたし、悩んだ部分もありました。でも本当にうれしかった。こんなビッグクラブからオファーがくるようになったんだと」

 チームに不足していた縦へのスピード、守備でのハードワーク、そして得点力を期待され、17位とJ2降格圏に沈んでいたG大阪に加入した。

 「(加入当初は)不安はなくて、J2でやれていたこともあって、自信満々で来たんですけど。いざ練習に入ってみると、レベルが高いと…。その中でも、(藤本)淳吾さんが一番衝撃的な選手で。おれ、この人から、ポジションを奪えるのかと。こんなうまい人、初めてで。名古屋戦の活躍を見たときには、時間かかるなと思いました」

 加入後、初めてベンチ入りした8月5日の名古屋戦で、同じく右サイドMFを主戦場にする元日本代表MF藤本が得点。加えて独特のパスセンスや、DFの間でパスを引き出すタイミングに驚いたと言う。

 しかし8月19日の仙台戦で初先発、さらに9月1日の川崎戦で先発して勝利に貢献すると、ここからチームは連勝街道に。チームが9連勝と巻き返しをみせた中、小野瀬は持ち味のスピードや守備でのハードワークを見せつつ、3ゴール3アシストと結果を残し、J1残留に大きく貢献した。

 「山口の時より、よりドリブルでいく回数は減りました。G大阪の伝統、中盤でボールをつないで圧倒していくというのは練習でもありますし、それに慣れて自分の良さを出していけたのもある。点やアシストをして、チームが勝っていったので自信がついていった感じでした」

 かつて横浜Cの下部組織で育った小野瀬は、13年に18歳で当時のクラブ最年少デビュー。U―18日本代表にも選出されるなど、横浜Cの将来を担う選手として期待されていた。しかし出場機会は得ながらも、ずば抜けた結果は残せないまま、プロで5年目のシーズンを終えたオフに大きな決断を下す。17年、当時J3からJ2に昇格2年目だった山口への完全移籍だ。

 「一番は横浜Cで結果を残して、というのが理想でしたけど、このままじゃだめだなと思ったので、移籍を決心しました。若いころは18歳でプロになって、2、3年Jリーグで活躍して、海外へと思っていましたけど、そんなにプロの世界は甘くないなと。でもこれが自分の人生なんで。ここまでこれたことはありがたいというか、色んな人に支えてもらったり…。感謝する人もいっぱいいます。思い描いていたものとは違いますけど、人としても成長できたと思います。僕にとっては、これが正解だったのかなと思っています。過去はどうしようもないので。それよりは未来の準備が大事かなと」

 山口では前日本代表監督のハリルホジッチ監督を招へいし、日本サッカー協会の技術委員長も務めた経験を持つ霜田監督の指導の下、食事改革などに着手。欧州や日本代表ではスタンダードとなっているピッチ外での意識の高さを学び、より能力を発揮できる体制を整え、ブレークへのきっかけをつかんだ。

 「元々、全部ものにしたいという欲張りな性格なんで。最初は全部足もとでサッカーをしていた中で、(元横浜C監督の山口)素さんに鍛えられて、守備もやるようになって。前の選手は結果で存在意義を示さないといけない、と思うようになって。そして(山口監督の)霜さんには、チームの中心として結果を残して欲しい、という重要な役割を任されて。『42試合、使うつもりでいるから』と前もって言われていました」

 横浜C、山口とJ2で積み上げてきたものが、昨季はJ1でも通用することを証明した。今季に向けては持ち味の走力をよりピッチで発揮するため、元陸上選手で、日本代表DF槙野=浦和=らも師事するスプリントコーチの秋本真吾氏から指導を受けた。

 「何回でもスプリントできるように。正しいフォームで。より相手より走れたほうが、得点できる回数は多くなりますし、守備でも貢献できると思うので。改善点? けっこうありましたね。サッカー選手は前に、前にと体勢が前傾しちゃう。本来は体を立てて、走るべきらしいです。相手より速く走りたいし、相手より多くスプリントしたい。昔から負けず嫌いなんで。根本的なところに」

 昨季J1でも十分に通用した走力を、今季に向けてさらに高める準備を行ってきた。一方、昨季はJ1レベルの高さを感じさせられた相手もいた。マッチアップして一番印象に残っているのは、日本代表にも名を連ねるあの選手だ。

 「1番嫌だった選手は、サンフレッチェ広島の佐々木選手。何もできない訳じゃないけど、一番やりづらいなと。間合いがうまかった。今年はマッチアップしたい? したくないということはないんですけど、してもしなくてもいいです(笑)。自分のことも大事ですけど、チームが勝つためにプレーしたいので」

 今季はG大阪でレギュラーとして、年間通じた期待される。昨季はJ2で初の2ケタ得点をマークしたことで、今季はJ1での2ケタ得点も目指すが、インタビューを通じて地に足の着いた言葉が目立った。

 「ずっとJ2にいたので。決して、エリートじゃないので。(J2時代は)この先、どうなるんだろうと思っていた。ずっと、このままやっていくのかな、と思ったときもありました。同世代の選手が海外にいったり、J1で試合出たりするのを見ていて。人それぞれなんですけどね。でも、ここまでこられたことには本当に感謝しているので。今は期待してもらっていると思うので、それに応えられる選手になりたい。期待している時に活躍していかないと、すぐポジションがなくなるチームだと思うので。プロになってからサッカー人生でタイトルをとったことがないんです。だから、チームでタイトルがほしいです」

 プロとして先が見えなくなりそうな時期を乗り越え、J1で勝負をかける居場所をつかんだ25歳。まだ味わったことのないタイトル獲得を目指し、新たなシーズンに挑む。

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