【二宮寿朗の週刊文蹴】鹿島強化部長のポリシー 伸びしろにフタをするな

 伸びしろも補強―。

 そう語ったのは鹿島アントラーズの鈴木満常務取締役強化部長である。「伸びしろにフタをするというのは伸びしろを奪うこと。戦力が不足していると周囲が感じようが、周囲から何を言われようが、試合に出て伸びてくれたらそれが戦力補強になる」。断トツの20冠を誇る鹿島の強化トップを務めてきた男の揺るがぬポリシーだ。

 19日に行われたACLプレーオフ。鹿島はオーストラリアのニューカッスルに4―1で快勝し、本戦出場を決めた。先発したセンターバックの21歳、左利きで190センチの長身を誇る町田浩樹は落ち着いた対応で存在感を示した。強気に、のびのびと、かつ冷静に。レギュラー争いに食い込んできそうな気配が漂う。

 鹿島のセンターバックは昌子源、植田直通の主力2人が欧州に移籍したことで一番の補強ポイントだと思われた。しかし、即戦力の外国人選手には目を向けず、鄭昇ヒョンと犬飼智也を軸に町田、レンタルバックのブエノ、高卒ルーキーの関川郁万といった若手で競わせる判断を下したといえる。

 「出場機会を得られないとモチベーションが下がり、それこそ伸びしろにフタをしてしまうことになりかねない。けが人が出たりすれば、ベンチ入りして試合に絡みやすくする。伸びしろを計算した編成を考えているつもり」とは鈴木氏。競争させながら、試合に絡むチャンスを与えながら若手の急伸を呼び込もうとしている。「伸びしろも補強」とするためには、何より我慢が大切なのかもしれない。

 いよいよ開幕を迎える今季のJリーグ。外国籍枠拡大に踏み切り、J1の出場枠は「3+1(アジア枠)」から「5」に変更された。登録数の上限がなくなり、多くのクラブが積極的に外国人選手の獲得に動いた。だが若手の伸びしろにフタをしてしまうとマイナスにもなる。より編成力が問われるシーズンとなるだろう。(スポーツライター)

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