輝くベイスターズの「背番号0」…“地獄を見た男”中井大介のアピールは続く

17日の試合後、巨人の小林誠司(右)と笑顔で話す中井大介
17日の試合後、巨人の小林誠司(右)と笑顔で話す中井大介

 地獄を見た男の評価が高まっている。中井大介。29歳。昨オフ巨人を戦力外となり、DeNAに入団した。キャンプ1軍スタートから実戦に入り、バットでアピールを続けている。

 新たなユニホームを着て半月ほど。チームの一員となった実感はまだおぼろげだ。「なかなか自分ではどういう風に映っているか、わからないので。なるべく溶け込めるようにコミニケーションを取ったりしています。特別何かをしているわけではないですけどね」と客観的に見つめている。

 2007年高校生ドラフト3巡目で巨人に入団。2年目の09年には平成生まれの選手では初めてとなる本塁打を放った。13年にはレギュラーを取りかけた矢先に故障で離脱したが、17年には自身初の開幕スタメンを勝ち取り、この年には球団通算1万号のメモリアル弾を放つなど巨人ファンの記憶に残る選手だった。

 昨年10月26日。ドラフト会議の翌日に11年間在籍した古巣から戦力外の通告を受けた。ファンに与えた衝撃は少なくなかった。持ち前の打撃に加え、内外野を守ることができるユーティリティープレーヤー。DeNAの球団幹部は「戦力外を聞いた瞬間に獲得したいと思った」とトライアウト後、真っ先にオファーを出した。

 この2月、ベイスターズの「背番号0」が輝いている。打撃では長所を生かすことに専念。「インパクト。ボールとバットをとらえるところにいかに自分の力をしっかり伝えられるか。去年までこうして、ああして、とかいろいろ考えることもたくさんあったけど、シンプルに強い打球が打てるように意識してます。強い打球ならゴロでも野手の横を抜けていくこともある。強い打球が打てるということはいい形、いいタイミングで打てていることなんで」。16日のヤクルト戦(浦添)で1号を放つと、17日の古巣・巨人との練習試合(那覇)ではマルチ安打。ラミレス監督から「試合に使いたくなる選手」と評価された。

 伝統ある球団から、今季で8年目となるDeNAへ転身した。「ジャイアンツは年齢層が幅広い。若い選手もいればベテランの阿部さん、上原さんとかそういう年代までの人がいる。逆にベイスターズは、チームとして年齢層がギュってまとまっている分、みんな仲がいいというか、練習中もあまり年上、年下とか関係なく、いろいろな人から声かけが出たりする。一体感みたいなものはすごくあるのかなと」とその雰囲気を受け入れている。

 もちろん自分のために、そしてDeNAのために、が第一だが、古巣のファンにも感謝を伝えたい。「ジャイアンツの時にたくさん応援してもらった。チームは変わりましたけど、応援してもらえるかは別として、巨人のファンの方にも横浜でしっかり頑張っている姿を見せることが大事だと思っています。巨人戦に限らず、しっかり、チームに貢献できるようないい働きをすることが大事」。

 目指すは開幕1軍。「もちろん、開幕1軍が一つ目の目標であることは間違いない。けど、それだけで満足するというか、そこがゴールじゃないのは間違いない。もちろん、結果を出す中でスタメンで使ってみよう、と思ってもらえるように、狙っていきたい」。培った経験を糧に。中井の新たな野球人生は始まった。

(記者コラム 岸 慎也)

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