堺屋太一さん、孫ほどの記者に熱く語った「日本の課題と未来」

2000円札を手にインタビューに応じた堺屋太一さん(2018年7月)
2000円札を手にインタビューに応じた堺屋太一さん(2018年7月)

 「団塊の世代」の名付け親であり、経済企画庁(現内閣府)長官を務めた作家で経済評論家の堺屋太一(さかいや・たいち、本名・池口小太郎=いけぐち・こたろう)さんが8日午後8時19分、多臓器不全のため都内の病院で死去した。83歳だった。通商産業省(現経済産業省)では、1970年の大阪万博の企画などを担当。その一方で在職中に作家デビューし、数々のベストセラーを発表した。昨年11月に開催が決定した2025年の大阪万博も楽しみにしていたが、開催を見届けることはできなかった。

 「平成という時代は経済成長率が下がり、官僚主導の社会が完成してしまった。現代日本の一番の欠陥です。規制やルールで何でも縛る『無菌社会』では面白くないですよ」

 昨年7月、「平成」を振り返る連載で堺屋さんに話を伺った。テーマは2000円札を発行した経緯などについて。孫ほど年の差がある記者に、「日本の課題と未来」について惜しみなく語ってくれたことを思い出す。

 通産省出身で、沖縄の振興や70年の万博などに関わった。退官後に、プロデューサーとなった「国際花と緑の博覧会」(90年、大阪)では、アオキ、ニトリ、ファンケル、カプコン、スターツ、ドトール、富士ソフトなど日本を代表する創業者らと意気投合し、親交を深めた。その経緯などは著書「巨富への道」でもつづられているが、取材でも米国の巨大IT企業が覇権を握る現状について、「日本は創業者を大切にしない社会になった」と嘆いていた。

 大阪府・市特別顧問として、2度目となる2025年の万博を心待ちにしていた。「経産省は、他人任せで小さいことを考えとるようだ」と古巣に苦言を呈しつつ、「前回の万博を超えるようなことをやってほしいね」と期待していた。

 「いつの時代も、多様性、意外性が大切です。バカバカしいことを喜ぶ気分がないと、ね」。圧倒的な知識と分析力、そして創造力を前に、取材時間はあっという間に過ぎた。「また、勉強して、お会いしたい」と思っていた。残念でなりません。合掌。(久保 阿礼)

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