勝負の秋のために 王会長も走るソフトバンクのキャンプ

ランニングのメニューをこなすソフトバンクの選手たち
ランニングのメニューをこなすソフトバンクの選手たち

 ただひたすら走る。あまりに走るナインの姿に触発されたのか、王貞治会長(78)まで珍しくダッシュしたのは、紙面で伝えた通り。ロッテが1日、巨人が3日に紅白戦と早々と実戦を行ったのとは対照的に、日本一のタカは黙々とキャンプを送っている。

 初日で言えばウォーミングアップを終えるとA、B組全員がメイン球場から最も遠い、多目的グラウンドで走っていた。午前中、メイン、サブグラウンドには誰もいなくなった。プロ野球を取材して13年目になるが、初めて見た異様な光景だった。

 そんな練習を見つめながら王会長が、頼もしそうにつぶやいた。「この練習が8月、9月に生きてくるんだ。勝負は秋だからね」。開幕ダッシュに成功。そのままVテープを切るのが理想だが、143試合を戦う長いシーズン。好不調の波は必ず来る。振り返れば、16年は6月中旬に11・5差リードしながらまくられた。反対に17年は7月まで楽天とデッドヒートだったが、夏場以降の強さを生かし、ぶっちぎりで優勝した。

 「シーズン中盤までは、優勝を争える位置を確保することが大事。陣取り合戦みたいなものだよ」と王会長。以前、担当していた中日・落合博満元監督も「(夏場までは)勝率5割でいい。勝負は秋」が口癖だった。指揮を執った8年間で、4度の優勝。自らが容赦なくノックを浴びせ、ランニング量も多かったことを覚えている。猛練習で知られた6勤1休のキャンプを送り「これが最後に生きる」と、シーズンへの“スタミナ”を蓄えていた。

 あまりのランニング量に、足がつるなど下半身に疲労を抱え、午後からの技術練習に支障を来す選手もいることは確かだ。だが、7日の第2クール終了後までキャンプの過酷メニューが変わるわけではない。ただ、王会長が言うように、この苦労はきっと報われる。選手たちは、それだけを信じて走り続ける。

(ソフトバンク担当・戸田 和彦)

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