古川琴音、デビュー1年目次から次へと大役つかむ秘密「ありのままの自分で臨む」

「深みのある演技ができるようになりたい」という古川琴音(カメラ・関口 俊明)
「深みのある演技ができるようになりたい」という古川琴音(カメラ・関口 俊明)
映画デビュー作となった「チワワちゃん」
映画デビュー作となった「チワワちゃん」
ゴスロリ少女を演じた「十二人の死にたい子どもたち」
ゴスロリ少女を演じた「十二人の死にたい子どもたち」

 ブレイク確実の金の卵を発掘する新コーナーの第2回は、昨年デビューした女優の古川琴音(22)を紹介します。デビュー1年目にもかかわらず、話題の作品への出演が続き、24日に開幕する「世界は一人」(作・演出=岩井秀人、東京・池袋の東京芸術劇場プレイハウス、3月17日まで)では初舞台を踏みます。大役を次々にオーディションでつかむ、新人女優の輝きの秘密に迫りました。(宮路 美穂)

 一度聞くと耳に残る豊かな声質と、何にも染まらないようで、何者にもなり得る可能性を秘めた表情。古川は不思議な魅力をまとった女優だ。

 子供の頃から人の笑顔が好きだった。「お母さんがよく私の子供の頃の話をするんですが、(古川が)転んだとき、周りのお母さんたちが笑うと、何回でも転ぶ子だったみたいです」。小学校のときは今よりもふくよかだったといい「『肉団子』と呼ばれていて、陽気なデブでした。応援団長とか生徒会長とかやっていて、とにかく活発な子でした」と振り返る。

 人を楽しませたい気持ちの延長で、中、高は演劇部に所属。「中3のときに2人芝居をやったのですが、初めて役と自分の境がなくなった。せりふって本来、予定調和なのかもしれないけど、本当に自然に言葉が出てきたり、心から笑えたりしたんです」

 演技の奥深さを知るとともに、役者業を一生の仕事にしたいという気持ちが強くなっていった。大学在学中の17年、友人たちが就職活動を始めるタイミングで現在の所属事務所「ユマニテ」に自ら履歴書を送り、所属の運びに。デビュー1年目にもかかわらず、オーディションにめっぽう強く、ドラマや映画、広告で存在感のある役に抜てきされてきた。

 「オーディションに臨むときに思うのは、『大前提で(選ぶ側が)ちゃんと見ていてくれる』ということだから、必要以上に張り切ってやる必要はなくて、感じてるものを感じたように出せば分かってくれると思っています」。自然体で、ありのままの自分で臨むことが何よりも大事だと思っている。「自分の中にも『見てもらいたいスイッチ』はあるけど、それが入っちゃうと、気持ちよりも見せ方重視になっちゃう。なので、あんまり意識的にそのスイッチを入れないようにやってます」

 現在は舞台「世界は一人」の稽古中。この出演もオーディションで約200人の応募の中から射止めた。松尾スズキ、松たか子、瑛太ら実力派のメンバーがそろう話題作。「(演出の)岩井さんが役者やスタッフの方々を一人ひとりよく見てくださっているなと思います。私が『こんな感じかなぁ』と恐る恐る出したものでも、そのニュアンスをしっかりと汲(く)んでくださったり、そこから新しいイメージを引き出してくださったりします」と、変化を楽しみながら参加している。

 稽古ではときに「海の動きをやって」など、抽象的な指示もされるというが「思い切ってやってみると必ず反応してくれる。だから、毎回の稽古で違うことをして、いろんなことを試してしまいます」と充実の日々を過ごしている様子。「多分、これが私だけじゃなくて全役者、全スタッフさんに起こっているので、毎日大道具は変わるし、音楽も変わるし、演技も変わるし…な現場でとっても楽しいです! みんながその時のベストを惜しまずに出す現場なので、毎日刺激的です」と語る。

 「深みのある演技ができるようになりたい。頭で『こう見えたいな』とか考えずに、心で芝居ができるような女優になりたい」と夢を語る。「最近はロックミュージックにはまっていて。映画の『ボヘミアン・ラプソディ』が公開されるよりもっと前に、友達からQUEENを教えてもらって、その世界観が演劇的で衝撃を受けました。いつかロックミュージシャンの役もやってみたい。私、色あせないものが好きなんです」。今、まさに飛躍を始めた古川の輝きも、きっと、色あせないものになっていくだろう。

 ◆公開中映画「チワワちゃん」「十二人の-」にも出演

 古川は現在公開中の映画「チワワちゃん」(二宮健監督)、「十二人の死にたい子どもたち」(堤幸彦監督)にも出演中。同一人物とは思えない演技で話題を呼んでいる。

 映画デビュー作となった「チワワ―」は、新人の緊張ゆえコミュニケーションの取り方に苦戦。しかし、「(共演の)皆さんは新人とかそういう肩書は関係なく、一人の人として見て、接してくれていたんだと後で気づきました。役者として人間を表現するのに、こんなものの見方は危険だなと反省するきっかけになりました」と、プロ意識について考えさせられた現場だったという。

 「十二人―」では集団安楽死を願うゴスロリ少女のミツエを“怪演”。「ピンクのロングヘアと緑のカラコンですが、衣装合わせの時にカツラは4つ、5つくらい、カラコンは20種類近く用意してくださっていました! 彼女の大切な死に装束なので、丁寧に決めた結果、今のミツエができました」とビジュアルのこだわりを明かした。

 ◆古川琴音アラカルト

 ▽名前 古川琴音(ふるかわ・ことね)は本名。父の夢に「ことみ」が登場したことがきっかけだったといい、響きを考慮し「琴音」に。

 ▽生年月日 1996年10月25日生まれ、22歳。

 ▽出身地 神奈川県。

 ▽身長 161センチ。

 ▽特技 ダンス(バレエ、ヒップホップなど)、ジブリッシュ。昨年2月、動画デビュー作の沖縄市PR動画「チムドンドンコザ」ではミュージカル風演出で華麗な歌とダンスを披露。

 ▽憧れの女優 趣里。主演映画「生きてるだけで、愛。」の演技に胸を揺さぶられたといい「心でしか芝居してない。格好いいと思いました」。

「深みのある演技ができるようになりたい」という古川琴音(カメラ・関口 俊明)
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