東洋大・相沢晃、福島を初Vに導く…全国都道府県対抗男子駅伝

ガッツポーズで初優勝のゴールテープを切る福島のアンカー・相沢(カメラ・石田 順平)
ガッツポーズで初優勝のゴールテープを切る福島のアンカー・相沢(カメラ・石田 順平)

◆全国都道府県対抗男子駅伝(20日・広島市平和記念公園前発着=7区間48キロ)

 “駅伝王国”福島が2時間19分43秒で東北勢初優勝を果たした。25秒差の2位でタスキを受けたアンカー・相沢晃(東洋大3年)が先行する群馬を8キロ付近でかわし、奪首。箱根駅伝4区区間新の勢いそのままに、区間賞の快走で2位に35秒の差をつけて逆転Vのゴールに飛び込んだ。過去最高2位(1999、2010年)の悔しさを晴らし、ついに頂点に立った。(晴れ、気温14・8度、湿度48・7%、東南東の風0・7メートル=スタート時)

 脈々と続く福島のDNAがついに実を結んだ。相沢は「どんな位置で(タスキを)もらっても、優勝するつもりで走った」と前を行く群馬を8キロ付近で捉えると、一気に突き放す。「自分は攻める走りが持ち味。1秒をけずりだす走りができました」。会心のペースアップで独走し、両手を広げてゴールした。

 福島はマラソン元日本記録保持者の藤田敦史(42)、箱根駅伝“山の神”今井正人(34)、柏原竜二(29)ら名ランナーを輩出。ようやく優勝できたのは、中学生から一般まで、全世代が集う市町村対抗福島県縦断駅伝の存在が大きい。

 毎年11月に行われる通称「ふくしま駅伝」には現役箱根ランナーや実業団選手が積極的に参加。憧れのランナーとのタスキリレーは競技力向上に役立った。駒大で2008年箱根駅伝優勝に貢献した安西秀幸監督(33)は「これまで築いた伝統があったからこそ、今がある」と感謝。「福島の代表になるのは五輪選手になるより難しい。その中で選ばれるのは素晴らしいこと」と選手に伝えてきたという。相沢や3区12位・阿部弘輝(明大3年)らは偉大な先輩の背中を追って走り続け、日本トップクラスまで成長した。

 相沢には負けられない理由もあった。前回も出走予定だったが、レース前日に感染性胃腸炎にかかり、試合当日の朝に泣く泣く離脱した。「2年分の思いを込めて走った。今年の箱根駅伝でも優勝を逃したので、その悔しさも」。自分のふがいなさと箱根3位に終わった東洋大新主将としての自覚をバネにした。

 今後はハーフマラソンでのユニバーシアード(イタリア・ナポリ)代表、そして果たせなかった学生駅伝3冠に照準を合わせる。東洋大の、福島の、そして日本のエースを目指す21歳。「いずれは藤田さんや今井さんのようにマラソンで勝負したい」。故郷の英雄を追い、次の世代へタスキをつなぐ。(太田 涼)

 ◆相沢の箱根駅伝

 ▼18年2区3位 ルーキー西山和弥からトップでタスキを受けると、箱根デビューとは思えない冷静なペース運びで首位をキープ。

 ▼19年4区1位 青学大から8秒差の2位で出ると、2キロすぎにトップを捉え一気に突き放し独走。区間記録を1分27秒短縮し、参考記録である藤田敦史氏(現・駒大コーチ)が99年に樹立した1時間0分56秒も2秒更新。2位東海大に2分48秒、3位青学大に3分30秒差をつけた。

 ◆全国都道府県対抗男子駅伝 1996年から始まり、今年は第24回大会。最初は7区間47キロで行われていたが、2000年から現在の7区間48キロに。一般(社会人、学生)が3区(8.5キロ)と7区(13キロ)、高校生が1区(7キロ)と4区(5キロ)と5区(8.5キロ)、中学生が2区と6区(ともに3キロ)を走る。

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