成績だけじゃないFA移籍選手の貢献度

練習に取り組むオリックス・増井
練習に取り組むオリックス・増井

 昨年1年間、オリックス担当として球団に密着して、FA移籍選手による貢献度の大きさを実感した。

 17年オフに日本ハムからオリックスにFA移籍した増井浩俊投手(34)。日本ハムでの在籍8年間で110セーブをあげた、現在の日本球界を代表する抑え投手だ。新天地では63試合に登板して2勝5敗35セーブ、9ホールドで防御率2・49。増井加入は、単純に戦力としてだけ見てもオリックスに大きなプラスだった。ただ、個人的には、チームに与えた好影響は成績以上にプラスに働いていたように思う。

 たとえば試合前練習のキャッチボール。昨季、1軍に上がったばかりの山本由伸投手(20)は増井のキャッチボールを見て「すごい球でした。もう試合でも投げられるくらい」と目を丸くした。受けた吉田一将投手(29)も「球も強くて綺麗で勉強になります」と話したように、練習一つ、キャッチボール一つをとっても、若い投手陣に刺激を与えた。

 増井は9回に登板する展開に備え、6回あたりからブルペン入りし、投球練習を開始。そして登板前には8、9球ほど投げ込み試合に入る。「ずっとこの流れでした。不安なく試合に入られる」。長い守護神経験から築いた流れだという。「みんなそれぞれ準備はあると思うので」と他の投手に押し付けることはしないが「投げすぎと思った投手もいました。1年間投げ続けるには少ない準備をしていった方がいい」とひとりひとりを見つめ、アドバイスを求められたときには丁寧に向き合った。

 日本ハムでの若手時代に増井が手本としたのは武田久、宮西ら。「準備とかもそういう先輩方のマネをしてきました」。現在はチームは違えど、当時受けた刺激や学びを後輩たちに還元している。チームは昨季4位に終わったが、防御率3・69はリーグ1位。リーグ最多の621登板と、増井が加わったブルペンがフル回転してつかんだ数字だった。

 昨オフ、関東に住む家族から離れて、単身で縁もゆかりもない大阪のチームへFA移籍した。今季はそれ以上の活躍を目指し、オフを過ごしている。

 今オフは広島から丸、西武から炭谷が巨人へ、オリックスから西が阪神へ、西武から浅村が楽天へFA移籍した。それぞれの選手が新天地でどんな活躍をするのか。また、新しいチームでどんな財産を残していくのかが楽しみだ。(記者コラム・原島 海)

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