東京パラまであと1年半!女子高生パラアスリートを描く漫画家「もっと義足に触れる機会を」

「ブレードガール 片脚のランナー」第1巻の表紙(C)重松成美/講談社
「ブレードガール 片脚のランナー」第1巻の表紙(C)重松成美/講談社

 2020年東京オリンピック・パラリンピックまであと1年半に迫り、日本でも障がい者やパラスポーツ(障がい者スポーツ)を取り巻く環境に変化が訪れている。東京都主催でのパラスポーツイベントが大規模に行われたり、不慮の事故で「車いすアイドル」になった仮面女子・猪狩ともか(27)=スチームガールズ=らがパラスポーツの普及に一役買っている。

 そんな中、人気漫画家・重松成美さんが、パラアスリートを目指す女子高生の青春物語「ブレードガール 片脚のランナー」(講談社・BELOVE、https://be-love.jp/kc/bladegirl/)の連載を昨年9月から開始し、今年1月11日には、待望の単行本第1巻を発売した。

 スポーツ報知のインタビューに答えた重松さんは、東京を中心に活動している義足ユーザーを中心とした陸上チーム「スタートラインTokyo」を中心に取材を行いながら「ブレードガール―」を執筆。同チームと積極的に関わりを持つ中で義足の体験も行ったという。義足を初めて体験した時のことを「すごく怖かったんですけど、楽しくて。アンビバレント(相反する感情)で、いつもの感じとまったく違うんですけど、不安を乗り越える高揚感がありました」と振り返った。

 「義足のみなさんは、それが日常。日常用と競技用の義足があるにしても、『あれで走ってるの?』『あのスピードで』という驚きがありました」といい、「体験してみて、そのすごさが身に染みました」としみじみ語った。

 「スタートラインTokyo」の主宰は、義肢装具士の第一人者・臼井二美男氏(62)で、NHK・Eテレ「バリバラ」でMCを務める大西瞳(42)や、高桑早生(さき、26)ら、多数のパラリンピアンを輩出している。「ブレードガール」にも、チームのメンバーをモデルとしたキャラクターが多数登場。重松さんは「選手レベルになると、皆さんそのパフォーマンスが美しくて。スタートラインの皆さんは、かなりオープンにパワフルに話して下さいます」と笑顔を見せた。

 臼井氏のことを「最初からすごい人だとは思ってたんですけど、知れば知るほど臼井さんの活動がすごくて。若い人たちからエネルギーを吸い取っているんじゃないかと思えるくらいです。そうじゃなかったら、あれだけの活動は無理」と評価。「ご自分も『義足LOVE』だし、探求心旺盛で、おしゃれ心もある。そういうのをみんなに広めたいと思っているのか、引き込もう引き込もうみたいな感じで、ああやってふわっとみんなに声をかけているのがすごいです」と、その魅力を熱く語った。

 さらに「『ユー、やっちゃいなよ』みたいな。臼井さんは“障がい者界のジャニー(喜多川)さん”と言ってもいいかもしれません。誰でもウエルカムだし、いろいろな事情でなかなか来られなくなった人でも、『またいつでもおいで』みたいな雰囲気を出してくれます。その開けた空気が、スタートラインのメンバーにも伝わっていますよね」と見解を示した。

 一部では「義足の性能でスピードが出やすい」や、「義足がすごいから幅跳びの距離が出てずるい」などの意見があるが、これについて重松さんは「むしろ難しい。慣れ親しんだ足の感触じゃないのに、自由に動かすことが出来ることがすごいんです。努力の上にあのパフォーマンスがあるので、ずるいとかのレベルじゃない。普通に出来ていると見えるところが素晴らしいんです」と語った。

 「体験する機会がないからイメージが付きづらいというのも分かるんですけど」と世間の声について一定の理解を示すも、「義足を使いこなす能力を求められるということに、私たちも気付くべきです。小中学校で、もっと義足に触れる機会が増えてもいいんじゃないでしょうか」と提案する。

 重松さんは、“障がい者界のインフルエンサー”と言われる、タレント・中嶋涼子(32)も取材した。「ブレードガール」の今後の展開について、「まだまだ書きたいことがたくさんあります。連載を続けるために人気を取って、アニメやドラマ、映画になってくれたらうれしいですね」と期待し、「映画になって、スタートラインの皆さんや中嶋さんがキャストとして出演してくれたら最高です」とほほ笑んだ。(松岡 岳大)

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