稀勢の里、貴景勝に9番8勝で評価上げた「あとは自分を信じてやっていくだけ」…二所一門連合稽古

連合稽古で貴景勝(左下)に8勝1敗と大きく勝ち越した稀勢の里(カメラ・能登谷 博明)
連合稽古で貴景勝(左下)に8勝1敗と大きく勝ち越した稀勢の里(カメラ・能登谷 博明)

 大相撲の二所ノ関一門の連合稽古が9日、東京・江東区の尾車部屋で行われた。初場所(13日初日・両国国技館)に再び進退を懸ける横綱・稀勢の里(32)=田子ノ浦=は三番稽古で、昨年11月の九州場所で初Vの新関脇・貴景勝(22)=千賀ノ浦=を指名。精彩を欠いた7日の横綱審議委員会(横審)による稽古総見から一変し、相手得意の押し相撲で8勝1敗と見返した。普段は辛口の元横綱・北の富士勝昭氏(76)、舞の海秀平氏(50)ら評論家陣からも高評価を得た。

 番数を重ねるごとに、稀勢の里の表情に力がみなぎった。初場所への仕上げに指名したのは伸び盛りの貴景勝。下からの突き押しを腰を落として受け止め、押し返した。九州場所で初優勝した新関脇を8勝1敗と圧倒し「非常にいい稽古になった。前にしっかり行けてよかった。だいぶ体も動いていた」と汗を拭った。

 優勝宣言して臨んだ昨年11月の九州場所初日、貴景勝に敗れた。右膝も負傷して途中休場を余儀なくされた。場所後には横審から「激励」を決議される引き金にもなっていた。初日が差し迫った中で「圧力負けしないようにやった」と、本場所で2勝3敗の苦手意識も一気に振り払った。

 7日の横審稽古総見では横綱・鶴竜(井筒)、大関・豪栄道(境川)と3勝3敗。左太ももを俵に強打して自ら申し合いを切り上げるなど物足りない内容で終えた。評論家陣からは調整遅れを不安視する声が飛んでいた。

 北の富士氏「前に出ようという気持ちも見えたけど、長続きしないな。すぐに息が上がってしまう。あれじゃ15日間持たない」

 舞の海氏「厳しいけど気力で乗り切るしかない。技術どうこうではない」

 この日は生命線の左差しからの寄り切りはなくとも、泥臭く顔を紅潮させながら雄たけびを上げ、力で押し切った。気迫の相撲に周囲の評価も一変した。

 北の富士氏「随分と良くなっている。下半身がしっかりしてきた。少しは期待を持てるね」

 舞の海氏「立ち合いが鋭かった。自信になったと思う。これで気持ち良く初日に入っていけるのではないか」

 体の動きとキレは充実してきた。あとはスタミナ。この日も9番と番数は決して多くない。10日も出稽古の可能性を示唆し「あとは自分を信じてやっていくだけだと思う。一日一日しっかり集中して、力を出し切れるようにやっていきたい」。相撲人生を懸けた15日間へ、最後の仕上げに入る。(大谷 翔太)

 ◆二所ノ関一門 46ある相撲部屋が5系統(出羽海、二所ノ関、高砂、時津風、伊勢ケ浜)に分かれた一門の一つ。同一門は毎場所直前に関取衆から幕下以下まで集まって連合稽古を行い、各力士の仕上がり具合を見極めることができる。昨年11月の九州場所前には旧貴乃花一門だった阿武松(おうのまつ)、千賀ノ浦など5部屋が新加入し、計15部屋となった。

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