五反田「地面師事件」の陰で起きていること

詐欺事件の舞台となった元旅館(昨年10月)
詐欺事件の舞台となった元旅館(昨年10月)

 JR五反田駅から数分、約600坪の元旅館跡地を巡り、関心を集めた地面師事件。“事件現場”は、さまざまなニュースで報じられ有名になった。

 いま、いたんで傾いた土塀には危険防止用にグリーンのネットがかぶせられ、封鎖された入口には正月のしめ縄が。少し離れているが、毎日のように通って五反田駅まで歩いている芸能記者にとって、例の事件報道を違った思いで見ていた。

 いまも「ここ、ここ、地面師事件の…」と好奇のまなざしで指さしながら通る人は少なくない。廃虚の雰囲気を漂わせる妖しいイメージが先行してしまったが、記者にとって実は“癒やしの通過点”。昨年12月は無数の椿の花が咲き乱れていた。

 正面右には100年は軽くこえていると思われる桜の大木が。しかし、根の一部分がむき出しになった痛々しい姿。しかも、目の前は喫煙所。毎日、毎日、ニコチンの煙を吸い込みながら、けなげに花を咲かせる。

 1年と少し前。土塀からはみ出た、伸び放題の樹木の枝が、まるで腕がもがれるように切断されたことがあった。いまの五反田でここまで育った木々はそうないだろうに。驚かされたのはその後だ。切断部分のそばで新しい枝が無数に生え始めたのだ。これは木の“習性”なのだろうか。再び切られることを拒絶するように、真上に伸び続けている。

 事件現場の記憶が消えない間、ここは負のイメージを引きずるのかもしれない。しかし、東京砂漠といわれる中で四季の変化の移り変わりを確かに気づかせくれている。樹木は悪条件だろうと、懸命に与えられた所で生きようとしている。少しは見習わなくては。新年を迎え、五反田駅に向かう間にそんなことを思ったのだった。(記者コラム)

コラムでHo!とは?
 スポーツ報知のwebサイト限定コラムです。最前線で取材する記者が、紙面では書き切れなかった裏話や、今話題となっている旬な出来事を深く掘り下げてお届けします。皆さんを「ほーっ!」とうならせるようなコラムを目指して日々配信しますので、どうぞお楽しみください。

芸能

宝塚歌劇特集

報知ブログ(最新更新分)

一覧へ
NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請