【箱根駅伝】密着取材で“予言の書”ライター・佐藤俊さんも「驚いた」東海大V

「箱根0区を駆ける者たち」佐藤俊著
「箱根0区を駆ける者たち」佐藤俊著

◆報知新聞社後援 第95回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)復路(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109.6キロ)

 箱根駅伝で悲願の総合優勝を果たした東海大を追うライターがいる。サッカーについての著作でも知られる佐藤俊さん(55)は昨年末、東海大の駅伝チームをテーマにした新刊「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)を出版した。チームに密着し、取材してきた佐藤さんは今回の勝因を、高校教諭時代から培われた両角速監督(52)の育成哲学にあるとみる。

 テーマは、大本命の青学大ではなく東海大。まさに「予言の書」を出版していた佐藤さんだが、現実になった悲願成就には「すごく驚きました」と語る。「もちろん、うれしさや感慨深さはあります」

 一昨年末には青学についての著作も出版しただけに、王者の強さは熟知していた。「もちろん青学は強いなと思っていましたけど、勝負に絶対はありませんから」

 レース前に着目したのは、往路・復路を構成する10人の布陣。「両角監督がどのように組み立てるのかな、と思いましたけど、4区を重視して信頼を置く館沢選手(区間2位)にして、逆転の布石として7区を阪口選手(区間2位)にした。もちろんタイムや実績を重視しながらですけど、自分の目を信じるということを貫いた両角監督の勘がハマッたと思います」。結果、区間順位が2ケタに落ち込むことのない安定したレース展開が生まれた。

 強さの背景には、やはり両角監督の個性があると語る。「両角監督のベースは『学校の先生』にある気がするんです。常に選手の適性を考え、選手のやりたいことをやらせてみるところから始める」。指揮官は陸上無名校だった長野の佐久長聖高に一教諭として赴任し、強豪校に育て上げた実績がある。「いかにして箱根で勝つか、ということにとどまらない教育者としての指導方針があるからこそ、力のある選手が東海大に集まっているんだと思います」

 新刊の「箱根0区を駆ける者たち」は、箱根路を走る夢をかなえられなかった4年生たちの群像を描いた作品。選ばなかった部員たちへの両角監督の温かいまなざしが全編を彩っている。

 ◆佐藤 俊(さとう・しゅん)1963年3月5日、北海道函館市生まれ。55歳。青学大卒業後、出版社を経て93年独立。サッカーを中心に取材し、スポーツ雑誌「Number」などに寄稿。著書に「宮本恒靖 学ぶ人」「駅伝王者青学 光と影」など多数。

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