“最も五輪金メダルに近い男”乙黒拓斗「東京で表彰台の真ん中に立つ」新春インタビュー

新年の目標に「世界V2」「東京オリンピック出場権獲得」と記した乙黒拓斗
新年の目標に「世界V2」「東京オリンピック出場権獲得」と記した乙黒拓斗
タックルに磨きをかける乙黒拓斗(右)
タックルに磨きをかける乙黒拓斗(右)

 2020年東京五輪開幕まであと570日。今年は選考レースも本格化し、勝負の1年となる。笛吹市出身で昨年10月、レスリング世界選手権男子フリースタイル65キロ級を制し、日本男子最年少で世界王者となった乙黒拓斗(20、山梨学院大2年)がスポーツ報知の取材に応じた。12月の全日本選手権で優勝し、今レスリング界で“最も五輪金メダルに近い男”として期待がかかる20歳。世界選手権連覇の“最短ルート”での五輪切符獲得と、その先にある金メダルへの熱い思いを明かした。(取材、構成・三須 慶太)

 ―2018年はいろいろな事があった。改めて振り返って、どうだったか。

 「すごく伸びたというか、上を見て日々の練習をひたすらやったら、その結果、目標としていた世界選手権、明治杯(全日本選抜選手権)、全日本選手権を取れた(優勝できた)。でもここからが一番大事」

 ―10月の世界選手権(ブダペスト)では初出場初優勝。しかも19歳10か月での優勝は、山梨学院大・高田裕司監督(64)が持っていた20歳6か月を塗り替える日本男子最年少V、というおまけつきだった。

 「優勝したいという気持ちはもちろんあったが、(世界の舞台での)自分の立ち位置というか、どれくらいできるのかわかっていなかった。一戦一戦集中して目の前のことをやることが勝つために必要。それができたのかな」

 ―世界一になって得たものは。

 「自信はついたと思う。ここが(一番の)目標ではないけれど、ある程度、自分の立ち位置がわかって、今後何をすべきかが明確になった。東京五輪で優勝することが、現実味を帯びてきたというか。もちろん油断はできない」

 ―レスリングを始めたきっかけは。

 「父(正也さん)と兄(圭祐)の影響ですね。気がついたらやっていた」

 ―小学生の頃は所属する山梨ジュニアレスリングクラブだけでなく、自宅でも練習していたとか。

 「朝、走ってから学校へ行って、帰ってきて少しご飯食べて練習して、またご飯食べてお風呂に入って寝る。夜遅くまでやっていた記憶がある。それでまた朝が来るみたいな…。ひたすらやっていた。山梨学院大でも練習していました」

 ―体を動かすのは好きだったのか。

 「そうですね。勉強は普通だけど、運動神経はずば抜けていた。自分で言うのも何だけど(笑い)」

 ―石和南小を卒業後、親元を離れて上京。JOCエリートアカデミーに進んだ。寂しくなかったか。

 「もちろん寂しさはあった。でも五輪で優勝するために、どこに行って何をすべきなのかを考えた。(12年の)ロンドン五輪で米満(達弘氏=韮崎工高OB)さんの金メダルを生中継で見ていて『すごい』と思った。やっぱり、強くなるにはエリートアカデミーに入るのが一番と思った」

 ―帝京高卒業後は山梨学院大に。地元へ戻った理由は。

 「兄もいるし、レスリングをする環境もいい。日本代表クラスのいい相手がたくさんいるので。あと親が近くにいるのでサポートしてもらう部分は強みになる。『ちょっと体調を崩して…』と言ったら車でいろいろ連れて行ってくれるし(笑い)ありがたいですね」

 ―生活の中心はあくまでレスリング。

 「そうですね。端っこに他のことがちょっとあるみたいな感じ」

 ―今年の世界選手権(9月、カザフスタン)でメダルを取れば、東京五輪代表に内定する。勝負の1年になるが、改めて抱負を。

 「やはり一番の目標は東京五輪で金メダルを取ること。五輪出場権を早く確実なものにしたい。最短(ルート)で取りたい」

 ―世界一になったことで、今年は追われる立場になるが。

 「今まで以上に研究されるかもしれないが、その中で勝ち抜くことが今後にもつながっていく。そこで自分の(本当の)強さが出ると思う」

 ―世界選手権で狙うのは、やはり優勝か。

 「もちろん連覇はしたい。1度だけじゃなく何度も勝ち続けることは難しいので、絶対的な強さが欲しい。勝てるという自信をもって東京五輪に臨み、表彰台の真ん中に立ちたい」

 ◆乙黒拓斗・東京五輪への道

 全日本王者として6月の全日本選抜選手権に優勝すれば、世界選手権出場が決まる。ここで3位以内なら東京五輪出場権を獲得。これが最短ルートとなる。また世界選手権で上位6選手の国・地域に五輪出場枠が与えられるが、4~6位内で枠を獲得すれば、年末の全日本選手権Vで代表に決まる。全日本選抜でV逸でも、優勝者とのプレーオフに勝てば、世界選手権出場を獲得できる。

 ◆乙黒 拓斗(おとぐろ・たくと) 1998年12月13日、山梨・笛吹市生まれ。20歳。4歳から山梨ジュニアレスリングクラブで競技を始めた。石和南小卒業後、JOCエリートアカデミーに入校。東京・帝京高時代の2014~16年に全国高校総体3連覇。15年には世界カデット選手権54キロ級でV。17年に国体成年61キロ級を制し、18年6月の全日本選抜選手権65キロ級優勝。同年世界選手権では日本男子最年少となる19歳10か月でのV。173センチ。

新年の目標に「世界V2」「東京オリンピック出場権獲得」と記した乙黒拓斗
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