ミクシィ社長著作「自己破壊経営」大ヒットアプリ・モンストのヒットの裏側

 モンストの「オラゴン」のぬいぐるみを手にする木村社長
 モンストの「オラゴン」のぬいぐるみを手にする木村社長
木村弘毅著「自己破壊経営」
木村弘毅著「自己破壊経営」

 IT大手「ミクシィ」(東京・渋谷区)の木村弘毅社長(43)が著書「自己破壊経営」(日経BP、1728円)でヒット商品誕生の裏側や新規事業などについてつづっている。世界4500万ダウンロードを記録したスマートフォン向けゲーム「モンスターストライク」の開発に携わり、今年から社長に就任。ソーシャルメディア、ゲームからヘルスケア、スポーツへと事業の幅を広げ、奮闘している。(久保 阿礼)

 失敗しても挑戦を続けるという覚悟を込めた「自己破壊経営」。木村氏は初の著書でこれまでの歴史や新たな方向性を示した。

 「創業社長と私のように引き継いだ社長では存在感が違います。就職希望者に向けた採用面のメリットも含め、本を書いたら面白いんじゃないかな、と」

 木村氏は2004年に誕生した会員制日記「ミクシィ」で大ヒットした育成ゲーム「サンシャイン牧場」などを担当。ただ、米国発のフェイスブックやツイッターなどに押され、ミクシィ関連事業で失敗する苦い経験もあった。それでも「みんなが楽しめる舞台を作る」と覚悟を決め、社運を懸けたモンストの大ヒットにつなげた。今年4月にスポーツなどを担当する執行役員となり、同6月には社長に就任。モンストのほか新規事業の開拓も進めている。

 5年前に誕生したモンストは当時の売り上げを約20倍にまで拡大した。スマホ画面に現れるキャラクターを引っ張って敵にぶつける「ひっぱりハンティングRPG」として定着し、18年3月期の売り上げは1891億円(連結)、営業利益は40%に迫る。海外を含めた利用者は4500万人以上、キャラクターグッズ、映画、店舗運営まで行い、モンストの「世界観」は一気に広がった。ヒットの秘訣(ひけつ)は何か。

 「顧客を誰にするのかを明確にして事業を始めました。それはコミュニケーションを求める人であり、そこに価値を感じる方に焦点を当てました。皆さんの『共通言語』になるような分かりやすさ、(ネットなどの口コミを利用し顧客を獲得する)『バイラルマーケティング』も使いました。小さな渦が大きな渦になり、4500万という数字になりました」

 「お酒は飲まない」という木村氏だが、社員との日常のコミュニケーションには全力を傾ける。それは社長に就任してからも変わらない。朝礼で顔を合わせた後は社員とゲームをしたり、時に激論を交わしたり…。社内では社長を方向性を指し示す「一つの役割」として位置づける。上下関係よりもそれぞれが役割を全うするフラットな組織を理想とし「利用者をワクワクさせる」という外に向けた視点を常に意識する。ソーシャルメディアから、スポーツ事業に本格的に取り組み始めたのもゲームで重視した「ワイワイ、ワクワク」が共通するからだ。

 「スポーツ観戦をしながら、友達と盛り上がりますよね。海外の成功事例をみると『ビジネスチャンス』と思いましたし、日本はスポーツを楽しむ環境がまだまだ十分ではない。幸せな時間を損していますよね」

 17年7月にBリーグ・千葉ジェッツふなばし、今年2月にはJリーグ・F東京のスポンサーとなり、チームと一体となった「夢の舞台作り」に取り組む。また、20年東京五輪の正式種目となるスケボーでは、契約した堀米雄斗(19)が世界最高峰のプロツアー「ストリートリーグ」で開幕2連勝を飾るなど、うれしいニュースもあった。

 「スポーツでは過程も大事ですが、結果を出すことも大切です。世界で戦える堀米選手には、時代を象徴するヒーローになってほしいと思います。日本のスポーツ市場はまだまだ伸びます。いろいろ工夫して、テレビ観戦しながらワイワイやれるような楽しさを追求していきたいと思っています」

 ◆木村 弘毅(きむら・こうき)1975年12月9日、東京都生まれ。43歳。都立大工学部中退後、電気設備会社、携帯コンテンツ会社などを経て08年、ミクシィ入社。15年6月、取締役。今年4月、執行役員(スポーツ領域担当兼任)、同6月、社長就任。

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