将棋の第31期竜王戦7番勝負の最終第7局が21日、山口県下関市の「春帆楼」で行われ、先手の広瀬章人八段(31)が羽生善治竜王(48)に勝って対戦成績4勝3敗とし、竜王を奪取した。
前人未到のタイトル通算100期の偉業が懸かっていた羽生竜王は、1991年3月に棋王を奪取して以来続いていたタイトル在位者の地位から27年ぶりに陥落した。
対局開始は20日。先手・後手を決める振り駒で有利な先手番を広瀬八段が得て、先手が利を生かしやすい戦型「角換わり腰掛け銀」の進行になった。一進一退の攻防が続いたが、終盤の羽生竜王の緩手によって広瀬八段が攻勢を取り、一気に寄せた。
広瀬八段は2010年に王位を獲得して現役大学生初のタイトルホルダーとなって以来、8年ぶり2期目のタイトル獲得となった。
平成の30年間にわたってトップを走ってきた第一人者の無冠転落は、新時代を迎えた将棋界の象徴的な出来事となった。
◆タイトル獲得上位10傑
99 羽生善治竜王
80※大山康晴15世名人
64●中原誠16世名人
27 谷川浩司九段
20 渡辺明棋王
19※米長邦雄永世棋聖
13 佐藤康光九段
12 森内俊之九段
8※木村義雄14世名人
8●加藤一二三九段
※は故人、●は引退棋士