QB奥野耕世、悪質タックル乗り越えMVP!関学大2年ぶり最多29度目甲子園ボウルV

勝利の瞬間、ガッツポーズで喜ぶ関学大QB奥野〈3〉(カメラ・豊田 秀一)
勝利の瞬間、ガッツポーズで喜ぶ関学大QB奥野〈3〉(カメラ・豊田 秀一)
パスを出す奥野
パスを出す奥野

◆アメリカンフットボール ▽全日本大学選手権決勝・第73回甲子園ボウル 関学大37-20早大(16日・甲子園球場)

 関学大が、5月に日大の悪質タックルで負傷したQB奥野耕世(2年)=関西学院=の活躍で37―20と早大を破り、2年ぶり最多29度目の大学日本一に輝いた。奥野はパスで149ヤード、ランで49ヤードを稼ぎ甲子園ボウル最優秀選手と、年間最優秀選手(ミルズ杯)に選出された。日大との定期戦で背後からタックルを受けたショックを乗り越え、優勝に貢献。関学大は来年1月3日のライスボウル(東京ドーム)で、社会人王者が決まる17日のXリーグ決勝・富士通―IBM戦の勝者と日本一を争う。

 雨が降り始めた甲子園で、MVPの奥野ら関学大の選手らが高々とトロフィーを掲げた。大学日本一を2年ぶりに奪回。初の大舞台に挑んだ2年生QBは、味方の胸元に届く的確なパスで前進を図るだけでなく、ランで何度も見せ場を作った。ミルズ杯にも輝き「自分の成長もあったかもしれないが、周りが支えてくれたから」と謙虚に語った。

 鳥内秀晃監督(60)は「前の試合をいい勉強にして、走れるところを走った」と試合ごとに成長する姿を称賛。奥野は「波乱万丈。いい事も悪い事もあり、大変な1年だった」と照れくさそうに振り返った。

 被害者となった5月の悪質タックル事件は社会問題となり、全国的な注目を浴びた。パスを投げ終えた無防備な状態で、日大DLの宮川泰介(3年)に激しく倒され、腰部打撲で全治3週間のけがを負った。それ以上に心も傷つき「アメフトをしなければよかった」と漏らしたこともあった。だが、必要以上に励まさず普段通り接してくれたチームメート、家族の存在もあり、大好きなアメフトと別れることなく、3週間後に実戦復帰。今季はここまで、光藤航哉主将、西野航輝(ともに4年)とのQBトリオでチームを引っ張った。

 タックルした宮川からは5月中に直接謝罪を受けており、再戦も望んでいる。宮川も既に練習に復帰した。奥野は試合後「あんなことがあったけど、学生は一生懸命やっているということを分かっていただきたい」と、学生スポーツの素晴らしさを説いた。

 1月3日には初めて社会人王者と日本一を争うライスボウルの舞台に立つ。08年度の立命大を最後に学生の勝利はない。「チャレンジャーとして臨む。自分がやるべきことを準備して挑みたい」。たくましく成長した司令塔が、今季最後の試合でベストパフォーマンスを見せ、濃密な1年を締めくくる。(田村 龍一)

 ◆奥野 耕世(おくの・こうせい)1998年6月20日、大阪・池田市生まれ。20歳。アメフト選手だった父・康俊さんの影響で、小学1年から池田ワイルドボアーズで始め、中学3年までプレー。関学高を経て関学大では2年から公式戦出場。ポジションはQB。利き腕は右。171センチ、75キロ。

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