岡村美南「見たことのない劇団四季の姿も見せたい」3年ぶり新作ミュージカル「パリのアメリカ人」

意気込みを語った岡村美南
意気込みを語った岡村美南
日本で初めて上演される「パリのアメリカ人」((C)Original London Company、Photo by Johan Persson)
日本で初めて上演される「パリのアメリカ人」((C)Original London Company、Photo by Johan Persson)

 劇団四季の新作ミュージカル「パリのアメリカ人」(演出・振り付け、クリストファー・ウィールドン)が、来年1月20日に東京・渋谷の東急シアターオーブで開幕する。52年にアカデミー賞を受賞した同名映画の舞台版。四季のミュージカルでは「ノートルダムの鐘」(2016年)以来3年ぶりの新作となる。同作に出演予定の看板女優・岡村美南に公演はもちろん、劇団員から見た四季の魅力も聞いた。(土屋 孝裕)

 「パリのアメリカ人」は“アメリカ音楽の魂”と称される作詞家の兄・アイラ、作曲家の弟・ジョージのガーシュウィン兄弟の楽曲による映画の舞台版。第2次世界大戦後のパリを舞台に、新たな人生を夢見る若者たちを多彩なダンスとともに描く。2014年にパリで初演、15年にブロードウェー、17~18年にウエストエンドで上演され、日本に初上陸する。

 08年に四季に入団し、これまでに「キャッツ」「ノートルダムの鐘」などに出演してきた岡村は、新作について「特にすごいのはダンスです。ダンスが物語を運んでくる。ダンスから言葉が聞こえてくる。ウエストサイド物語に似た斬新さを感じました」と熱弁する。

 自身は画家の主人公を支援する裕福な米国人女性・マイロ役で、今回ダンスシーンはないが「やっぱりゼロからたちあげる新作は特別です。振り付けもレベルが高くて、四季としても大きな挑戦。『見る天国、やる地獄』ですね」。11月に稽古を始めて1か月。以前から四季に伝わるフレーズを使って、気を引き締めた。

 岡村は四季に入団し、既に10年になるが、入団時からずっと、自身の環境に感謝しているという。

 「他の劇団だと俳優がチケットをさばかなければいけなかったり、稽古場を探すのが大変だったりするかもしれないけど、本当に演劇に100%集中できる環境が整ってる。会社、俳優、技術スタッフが三位一体で力を合わせてます。(神奈川・あざみ野の稽古場に)個室はたくさんあるし、練習したいと思ったら、ずっとできますから」

 所属の俳優は約600人。毎年、約50人ほどが入団するという。配役の獲得は「完全な実力主義」とキッパリ。「役をもらったら安心できるわけでもない。よくなかったら途中で落とされますから。これまた四季の言葉で『慣れ、だれ、崩れ=去れ』って言葉もあって、ロングランの公演中に役を外されることもあります。比較的、体育会系ですね」と厳しさも口にした。

 話したことがない劇団員も多いというが、不思議とライバルと思ったことはない。

 「スター制をとってないからか、誰もが私、私って感じでは臨んでないんです。作品主義。自分が、というより、どうしたら作品を良く見せられるか考えてる。周りを見ていてもそう思いますね」

 53年に劇団が設立されてから65年。今も年間で約3000ステージを上演し、日本にミュージカルを定着させてきた。四季だからこそ、の強みはどこにあるのか。

 「基礎がしっかりしている俳優がたくさんいることだと思います。ダンスはもちろん、音楽的にもそう。例えば今回のガーシュウィンの曲の世界観も(ロングラン上演した)『クレイジー・フォー・ユー』などで分かってる俳優さんがたくさんいる。ひとつの理念を持ったメンバーで何かを作り上げていくことにおいては、私は世界一だと思ってます」と胸を張った。

 劇団の創立メンバーで、「顔」でもあった演出家・浅利慶太さん(享年85)が今年7月に亡くなった。

 「厳しいどころじゃないぐらい厳しかったですよ。でも愛情のある厳しさで、誰よりも演劇を愛し、誰よりもお客さんのことを考えていたと思う。(浅利さんからの)バトンを持っている感じはしています。新作でも、歴史ある劇団四季の姿を見せないといけない。見たことのない四季の姿も見せたい。そういう意味で今回の『パリのアメリカ人』はもってこいだと思います」

 ◆「パリのアメリカ人」
 大戦後のパリ、退役軍人で画家を志すアメリカ人のジェリーは、街中で見たバレエダンサー・リズに一目ぼれ。だが、友人のピアニスト・アダム、ショーマンを目指すアンリもリズを愛することに。一方、大富豪の女性・マイロはジェリーの才能にほれ込み、それぞれの感情が時代背景とともに交錯していく。公演は1月20日~3月8日に東急シアターオーブ、3月19日~8月11日に神奈川芸術劇場で。

 ◆岡村 美南(おかむら・みなみ)6月29日、富山県生まれ。幼少期からバレエを習い、中学生の時に富山で観劇した四季の「夢から醒めた夢」に感動し女優を目指す。高校卒業後、米留学を経て2008年11月にオーディションに合格し入団。09年に「劇団四季ソング&ダンス 55ステップス」で初舞台。以後「ウィキッド」「夢から醒めた夢」「キャッツ」「ノートルダムの鐘」など出演多数。

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