【楽天】新人王・田中、悩みに悩んだ24歳誕生日の夜…安藤が見た18年総集編

新人王を獲得する活躍をみせた田中
新人王を獲得する活躍をみせた田中

 激動の2018年もあとわずか。スポーツ報知では野球担当記者が印象に残った今季のワンシーンを「見た」コラムで振り返る。 今季パ・リーグの新人王に輝いた田中和基には、忘れられない夜がある。24歳の誕生日だった8月8日。日本ハム戦のため札幌市内に宿泊した。試合を終えた田中は、プロ野球選手らしくすすきのの街でバースデーパーティーだ―という気分にもなれず、ホテルの部屋に一人こもっていた。「打てなくて、生意気にもいろいろ考えましたね」。この日は5打数無安打。打率も2割9分を切り、頭を抱えていた。

 定位置奪取、球団生え抜き史上最多18本塁打、新人王、侍ジャパン選出―。最下位に沈んだ楽天の中で、数少ない明るい話題だった。5月下旬からセンターの定位置をつかみ、18本塁打、21盗塁で打率2割6分5厘。終わってみれば輝かしい結果が残った。だが苦しみ、危機感と常に隣り合わせだったことも確かだ。

 立大からプロ入り2年目。初の開幕1軍の座をつかんだが、役割は守備固めが中心。開幕4、5試合目は先発に名を連ねたが4打数4三振。守備でのミスもあって、開幕からたった5試合で2軍落ちとなった。「今年ダメだったら、来年残れる保証はない」。そんな悲壮な思いはさらに空回り。2軍でも4月終了時点で打率1割3分2厘。当然1軍からは声はかからなかった。

 最後の希望を懸けて、当時の池山2軍監督からの助言もあり、すり足打法に挑戦。これがハマった。1軍選手の故障もあり、5月下旬に昇格して定位置をつかむと、一気にブレイクした。一時は打率が3割3分超え。だが夏場に数字は右肩下がりとなった。

 「最初は明日も試合に出たいという気持ちばかりでしたけど、数字をどこかで気にしてしまっていましたし、新人王のことも頭にはありました」

 新人王のシステムやライバルの活躍などを記者に逆取材することもしばしば。本塁打、打率などが表示される、本拠地のスクリーンを見るのが嫌で嫌で仕方なかったこともあった。「新人王を取れたのは、前半の成績がよかったから。来季は全試合に出られるようにしたい」とまだまだ満足はない。ファンの数も一気に増えて、一躍人気選手となった“カー君”。田中将大に田中和基。楽天を再び頂点に導くのは「田中」の予感がする。(安藤 宏太)

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