【巨人】阿部が「鬼軍曹」宣言…マウンドで公開説教よみがえる!?

契約更改を終えた阿部(カメラ・清水 武)
契約更改を終えた阿部(カメラ・清水 武)

 巨人の阿部慎之助内野手(39)が29日、鬼軍曹復活を宣言した。東京・大手町の球団事務所で契約更改し、5000万円減の1億6000万円でサイン。来季から4年ぶりに捕手に戻ることを表明していて「時には厳しく、時には優しく、チームが勝つために出来れば」と宣言した。また、1500万円減の7500万円で更新した田口麗斗投手(23)は背番号が「90」から「28」に変更することが公表され、吉川尚輝内野手(23)らも来季の飛躍を誓った。

 優勝するために、自分の出来ることとはなにか―。来季、4年ぶりに捕手に復帰する阿部の頭の中には、すでにその答えがあった。「ゲームに投げている投手に声をかけるのも仕事だし、アドバイスを送るのも大事な役割。時には厳しく、時には優しく、チームが勝つために出来れば」。マスクをかぶって投手陣をリードすることはもちろん、ベンチの中でも鬼軍曹としてチームを引っ張るつもりだ。

 阿部の鬼軍曹伝説と言えば、12年の日本シリーズ・日本ハム戦(東京D)で沢村が二塁けん制のサインを見落とすと、すかさずタイムをかけてマウンドへ行き、右手で頭を叩いて公開説教。捕手として唯一無二のリーダーシップを発揮してきた。

 ここ数年は一塁が主戦場となり、一歩引いた視点で戦況を見つめていた面もあるが、来季からは再び慣れ親しんだ場所へ戻る。会見で捕手の魅力について聞かれると「試合を全て動かせる楽しさがある。そこをどうするかが一番難しいんだけど、一塁だとなかなか出来ない」。今季は代打での出場が増え、18年目でワーストの49安打に終わり5000万円ダウンになったが、「捕手・阿部」だからこそ出来る役割を担っていくつもりだ。

 チームの勝利はもちろん、復帰には純粋な思いもあった。今季限りで現役引退する多くの選手の姿を見届けていく中で、心境の変化があった。「自分にもいつか来るんだろうなと思って、それを考えた時にこのまま終わったら悔いが残るのではないかと。俺のわがままになるけど、キャッチャーで育ててもらったし、キャッチャーで(現役を)終われたらなと強く思ったので」と率直な思いを口にした。

 もちろん目指すは5年ぶりの覇権奪回。西武からFAで炭谷を獲得し、小林、宇佐見、大城、岸田と捕手陣には厚みが増したが「競争しつつ、お互いに協力して巨人のバッテリーがよくなるようにしていけたら」と前を見据えた。

 さらにあと1本に迫った通算400本塁打を「十二分に意識して臨む」19年シーズン。ただ、目標は至って、シンプルだ。「現役であと何年出来るか分からないですけど、もう一度、あの優勝の喜びを味わいたいですし、日本一になって銀座のパレードも味わいたい。そのパレードを若い選手に経験してもらいたいなと強く思います」。頂点だけを目指し、背番号10は再びマスクをかぶる。(後藤 亮太)

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 阿部を長く取材している、巨人・水井基博キャップは阿部の「鬼軍曹宣言」をどう見るか。チームに与える影響を「占う」。

 厳しくする? どんどん聞きに来て? 何とも怖い発言である。若手にとって阿部はチームの絶対的存在。「恐れ多くて話しかけられない」という選手も多い。そんなボスキャラに“鉄拳制裁”されたら震え上がってしまうのは普通だ。でも、実は、質問すれば1を10にして返してくれる面倒見の良いオジサンなのである。

 慎之助の現役生活は残り少ない。若手投手は、この機会を逃してほしくない。もちろん、口うるさく迫ってくるだろう。顔を見るのも嫌になるだろう。だが、坂本勇が若かりし頃、「阿部さんの言うことに間違ったことは一つもない」と話していたのを思い出す。1月のグアム自主トレでは朝から晩まで“鬼軍曹”と行動を共にした。何度も怒られた。でも、必死に吸収した。だから、今の勇人がある。「阿部さんには感謝しかない」とは本音だろう。

 阿部は「俺が言ったことがすべて正解ではない。でも、きっかけにしてくれればいい」とも話している。自身のことよりもチームが勝つことだけ。これしか頭にないからキャッチャーに戻ってきた。みんながもっと慎之助を利用することで、チームは良い方向に転がるはずである。

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