【報知映画賞】監督賞は「日日是好日」の大森立嗣監督…初対面での希林さんの返答忘れられず

普段は渋い印象だが、笑顔で受賞を喜ぶ大森立嗣監督
普段は渋い印象だが、笑顔で受賞を喜ぶ大森立嗣監督

 今年の映画賞レースの幕開けとなる「第43回報知映画賞」の各賞が27日、発表された。

 1年前の今ごろ、受賞作「日日是好日」を撮影していた。人生を模索しながら茶道教室に通う主人公を演じた黒木華(28)と、お茶の先生役の樹木さん。世代は違えど、ともに演技巧者の初顔合わせだった。

 大森監督は「(樹木さんは)そのときはお元気そうでしたが。何よりこの2人での共演で撮れたことに感謝したい」と振り返った。“ダメ元”で始まった出演交渉。「一番大変で怖そうな女優だから」こそ、こだわりたかった。

 初対面のランチ。今作とは全く関係のない、随分前に公開された邦画の解釈を巡って、互いに譲らなかった。樹木流の面接で監督の気骨を探っていたのか。気まずい空気が流れたが、別れ際、「私、やります」。はっきり返答してくれたことが忘れられないという。

 初メガホンから13年。危険な匂いのするエッジの利いた作風で知られるが、今作を含め近年は幅が広がり、作品にも厚みが出てきた。「映画=自分の人格。否定されると自身をけなされているよう」と話す。

 父は舞踏家で俳優の麿赤兒(75)、弟は俳優の大森南朋(46)。先日、3人で食事に行き、この賞の内定を報告したが、反応は驚がくの“スルー”だった。「ふーん、と。おめでとう的な言葉は全くなし。一体何なんでしょ、あの人たちって思いましたよ」。この面白い家族で育ったからこそ独特の感性も生まれるのだろう。(内野 小百美)

 ◆大森 立嗣(おおもり・たつし)1970年9月4日、東京都生まれ。48歳。駒大時代にサークルで映画を撮り始め「赤目四十八瀧心中未遂」(03年)の製作に参加。05年「ゲルマニウムの夜」で監督デビュー。真木よう子主演「さよなら渓谷」(13年)がモスクワ国際映画祭特別賞。近作に「まほろ駅前狂想曲」「セトウツミ」「光」など。来年2月に「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」が公開。

 ◆「日日是好日」 原作は森下典子氏のエッセー。生きがいを見つけることができない女子大生(黒木)が、茶道教室に通い始める中で少しずつ人生に張り合いを感じ始め、変化していく。

  • 映画「日日是好日」 

    映画「日日是好日」 

 ▽監督賞 大森、是枝、瀧本、吉田と票が割れたが、是枝との決選投票の末、1票差で大森に決定。「これまでと作風が違う繊細な映画も撮れることに驚いた」(渡辺)、「季節の移り変わりを全部映した。年配層の女性たちを映画館に行かせるのがステキ」(松本)

普段は渋い印象だが、笑顔で受賞を喜ぶ大森立嗣監督
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