凪七瑠海、花組「蘭陵王―美しすぎる武将―」の大阪公演で約4年ぶりの主演

「自然体で臨む方が、いろんなものが出せるのでは」と笑顔の専科スター・凪七瑠海
「自然体で臨む方が、いろんなものが出せるのでは」と笑顔の専科スター・凪七瑠海

 宝塚歌劇専科・凪七瑠海(なぎな・るうみ)が、花組「蘭陵王(らんりょうおう)―美しすぎる武将―」の大阪公演(28日まで)で約4年ぶりの主演を務め、来月4日からの横浜公演を控える。6世紀の中国に実在した北斉の皇族、高長恭(こう・ちょうきょう)=蘭陵王を“強く、たけだけしく、美しく”演じる入団16年目の専科スターは、「自分に『生きろ!』と言い聞かせて、全身全霊を懸けたい」と、8か月ぶりのステージに魂を込めている。(筒井 政也)

 フェアリー(妖精)タイプの男役で、しなやかな持ち味が生きる役どころだ。心身の強さを持ちながら、その美貌が自軍の士気をも下げるとして、仮面をつけて戦ったとされる伝説の武将の生涯を、少年時代の創作エピソードも加えて描く。

 「もともとドラマ(2013年、中国・台湾)があって、宝塚にピッタリではと思っていました。でも、新たに『美しすぎる武将』と副題が付いて、ヒャ~ッ!(笑い)」。通常の男役よりも眉を細く、肌は白く、中国作品らしい紅色は目頭の下に施した。「戦場で『この人は!?』と二度見してしまうような」。考えるのが大好きというメイク術で、ビジュアルにこだわった。

 外見よりも注力したのが内面だ。「武術にたけ、戦いになると狂気じみる。生きることに必死、貪欲。非の打ちどころがないわけではなく、人間として欠けた部分も」という人物像。アプローチには悩んだが、最初のひらめきに素直になった。名作「ベルサイユのばら」の男装の麗人オスカルだという。蘭陵王は性別は逆だが、「見た目は男か女か分からない中性的な感じ。でも中身は針金のように筋が通っている。洗練された刃物のようなイメージ」と表現する。

 2009年の「エリザベート」ではヒロインに抜てきされるなど、得難い経験を積んできた。「その全てが生きればいいな。私自身の中身はサバッとして、女性の要素がないらしい(苦笑)。悲しいんだか、うれしいんだか…。でも、男役冥利に尽きます」と、比類なき個性で役に息吹を与えている。

 2年前、芸を突き詰めたエキスパート集団・専科に異動。16年目ながら最下級生だ。「それまでは課題を与えられ、こなすことでいっぱいいっぱい。いざ『自由に時間を使ってください』となると私、何がしたいんだろう…? 最初は戸惑いました」と回顧する。

 心機一転、昨年4~6月、単身で米ニューヨークに渡った。「言葉は分からないけど、ポンと海外に飛び出して、違う空気を吸いながら学ぶのもいいな、と」。語学学校、ボイス&ダンスレッスンに加え、本場ブロードウェーも多数観劇した。

 「足がここまで高く上がるようになったとか、今さら私には必要ない。いろんなものを経験して心を豊かにすることが役につながるのでは。一度、生活から落ちかけたのですが、帰る時には『もう3か月いたい』(笑い)。この気持ちが必要。『私はこう演じたい』と提示することですね」。内面を磨き、アグレッシブさが増した実力者が、新鮮な光景を届ける。

 ◆凪七 瑠海(なぎな・るうみ)11月11日生まれ。東京都世田谷区出身。2003年4月、「花の宝塚風土記」で初舞台。89期生。宙組に配属され、男役ながら09年の月組公演「エリザベート」にヒロイン役で特別出演する。13年、月組に組替え。14年「THE KINGDOM」で同期・美弥るりかとのダブルセンターで外部劇場初主演。16年9月、専科へ異動した。身長170センチ。愛称「カチャ」「エリカ」「ガチャガチャ」。

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