【プチ鹿島のプチ時評】サイバーテロよりマズい事態

 秋も深まってきたというのに「桜」でにぎやか。桜田義孝五輪担当相である。五輪について質問されるとあやふやだったり、答弁がとにかく不安定。さらにサイバーセキュリティー担当なのに「桜田氏『パソコン使わない』」(報知15日)という話題。

 実はこれ、予想通りの展開なのである。今から1か月以上も前にこんな記事があった。「サイバー改正案の担当、別の閣僚に?」(朝日10月5日)

 サイバー対策は五輪に関連するのでこれまで五輪担当相が担当していた。しかし桜田氏の国会での答弁を不安視している首相官邸が別の閣僚に担当を変更する検討を始めたというのだ。つまり内閣改造直後から桜田氏は心配のタネだったわけである。

 となると誰でも思う。「なんでそんな人が大臣になれたの?」。さて、皆さんは昨年も似たようなキャラがいたことを覚えているだろうか。江崎鉄磨氏である。沖縄北方相に就任した直後「役所の答弁書を朗読する」と宣言した素人大臣がいた。

 あの時点で江崎氏は当選6回のベテランだが大臣は未経験。今回の桜田氏と似ている。両者の共通項は「二階派」である。自派閥の拡張に力を入れてきた二階氏は幹事長になり、総裁選では常に安倍首相を支持してきた。首相としては二階氏に忖度(そんたく)をしなければならないのだろう。

 その結果、不思議な初入閣がどんどん実現しているのだ。片山さつき氏も二階派である。総裁選後の論功行賞のマイナス面が出ているとしか思えない。こうなると二階派は政権だけの災難ではなく国難である。

 「パソコンを使えなくてもリーダーシップがあればサイバーセキュリティー担当でもいいじゃないか」という意見もあるだろう。しかし首相は「適材適所」と宣言したうえで選んだわけだから「それが桜田さん?」という大疑問が残る。

 危ういと思っていても派閥のしがらみ優先だとこうなるしかない。醜態を予想できても何も手を打てない、危機管理を超えた事態。桜田氏を決しておもしろニュースにしてはいけない。これは深刻な話なのだ。サイバーテロよりマズい事態がいま起きている。(お笑いタレント、コラムニスト)

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