【鹿島】昌子、今冬フランス1部トゥールーズへ 移籍金はJクラブ日本人DF最高額

鹿島・昌子
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◆アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝第2戦 ペルセポリス0―0鹿島=2戦合計2―0=(10日・テヘラン)

 【テヘラン(イラン)10日=岡島智哉】鹿島は敵地での第2戦でペルセポリス(イラン)と0―0で引き分け2戦合計2―0とし、クラブ史上初のアジア制覇達成。フル出場で20冠に貢献したDF昌子源(25)が今冬、フランス1部・トゥールーズへの完全移籍が有力になったことが判明した。今夏から2度にわたり正式オファーが届いており、移籍金はJクラブからの海外移籍では日本人DF史上最高額とみられる推定約300万ユーロ(約3億8700万円)。アジアを制し、最高の評価を受け世界に挑む。

 熱狂の渦と化した10万人の観衆が、ため息とともに押し黙った。試合終了の笛と同時に訪れた5秒間の静寂。鹿島の選手たちの雄たけびだけがこだました。敵地で完封した昌子は守備陣で肩を抱き合うと、力が抜けて動けないGK権を引き起こし、大岩剛監督(46)と涙で顔をぬらしながら抱き合った。「本当に欲しかったタイトル。鹿島に残っている仲間や家族、サポーターのために戦わなくちゃいけなかった」

 2点のリードで迎えた決勝第2戦。相手が前がかりに来るのは分かりきっていた。ひたすらロングボールを放り込まれ、「センターバックが一番しんどい試合ってなかなかない」と苦しい時間を耐えた。味方へのコーチングも声援にかき消され、「脩斗くん!(DF山本)って10回言った。(声が伝わらず)見向きもされなかった」。身ぶり手ぶりで守備陣を鼓舞し、体を投げ出して最後までゴールを割らせなかった。

 悲願であるクラブ初のアジア制覇を成し遂げ、いよいよ自らの思いを実行に移す。今夏のロシアW杯で3試合にフル出場し、日本代表の最終ラインで存在感を示すと、直後にトゥールーズ、同じくフランス1部のストラスブールから正式オファーが届いた。鹿島での成長を描いていたが、W杯を経験し代表の先輩や同僚から助言を受け、海外へ挑戦する思いが強まった。

 鹿島はW杯後にDF植田直通(24)が同時期にベルギー1部セルクル・ブルージュへ移籍。「お前の代わりを見つけるのは無理だ」と強い慰留を受け、いったんは思いを封印した。「夏にオファーを受けた時に鹿島に残った最大の目的が、ACLを取ることだったと思う。みんなの信頼に応えたかった」。負傷で離脱した時期もあったが、すべてを乗り越えてつかんだ20冠だった。

 関係者によると、移籍金は推定約300万ユーロ。DFでは過去最高額となる見通しだ。身体能力やコミュニケーション能力が求められ、日本人に不向きとも言われるセンターバックで最高クラスの評価を得た。鹿島は欠かせない戦力として慰留に努める方針だが、フランスリーグの強豪パリSGにはロシアW杯優勝に貢献したフランス代表FWエムバペ、ブラジル代表FWネイマールら世界屈指の攻撃陣が所属。“鹿島魂”を胸に新たな戦いに進んでいく。

 ◆日本人の移籍金メモ 日本人Jリーガーが海外移籍した際の移籍金最高額は、中田英寿が平塚(現湘南)からペルージャ(イタリア)に移籍した時の5億円といわれる。次いで、小野伸二が浦和からフェイエノールト(オランダ)に移籍した際の4億5000万円が続く。中盤の選手に比べ、身長の高さが求められるDFは、高い移籍金が支払われていない。内田篤人が鹿島からシャルケ(ドイツ)に、酒井高徳が新潟からシュツットガルト(同)に、酒井宏樹が柏からハノーバー(同)に、それぞれ移籍した際の1億5000万円前後が最高とみられる。移籍金の日本人最高額は、ローマからパルマに移籍した中田の約33億円とみられる。(金額は推定)

 ◆昌子 源(しょうじ・げん)1992年12月11日、神戸市生まれ。25歳。地元のフレスカ神戸でサッカーを始め、G大阪ジュニアユースを経て米子北高へ進学。2011年に鹿島入りし、12年3月24日の広島戦でJ1デビュー。対人守備、スピード、フィード力を備えたセンターバック。父・力さんは姫路独協大サッカー部監督で日本協会公認で最上位の指導者S級ライセンスを持つ。ロシアW杯日本代表。182センチ、74キロ。既婚。

 ◆トゥールーズ 1970年創立。フランス南部トゥールーズに本拠を置く。ホームはムニシパルスタジアム(3万5472人収容)で、98年フランスW杯の日本―アルゼンチン(0●1)、07年ラグビーW杯の日本―フィジー(31●35)も開催。過去にバルセロナでも活躍した元フランス代表DFマテュー、MFシソコらが在籍。チームカラーは紫。今季は13節を終え、3勝5敗5分けで20チーム中15位。同リーグには現在、2人の日本人選手が在籍。マルセイユに日本代表DF酒井宏樹が、ストラスブールにGK川島永嗣が所属する。

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