【山中慎介ジャッジ】村田は序盤の攻防が全てだった…焦って力みも

山中慎介氏
山中慎介氏

◆プロボクシング世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ ○同級3位・ロブ・ブラント(判定3-0)王者・村田諒太●(10月20日、米ネバダ州ラスベガス・パークシアター)

 WBA世界ミドル級王者・村田諒太(32)=帝拳=が同級3位ロブ・ブラント(28)=米国=に判定で敗れ、王座陥落した。ラスベガスで解説を務めた元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏(36)は「序盤が全てだった」と南京都高(現・京都広学館高)と帝拳ジム時代の後輩の敗戦を残念がった。

 結果論になってしまうが、序盤の攻防が全てだった。村田は1、2回とブラントの手数やスピードに押し込まれ、相手のリズムに巻き込まれると、焦りが生まれ、力みも出てきた。3回以降、得意の右が当たり始め、5回には相手をふらつかせるほどのパンチで攻勢をかけた。だが6回は打ち疲れもあってか、動きが鈍り、ガードも甘くなった。いつも以上にスタミナを消耗してしまった。

 ワンツーから左をつなげる形を練習してきたが、空転する場面も目立った。それはブラントが常に足が動いていた証拠でもある。相手の足を止めるためのボディー打ちも、最後までうまく入らず、相手を追う展開を強いられた終盤は失速してしまった。

 ブラントはよく研究していた。村田の右の打ち終わりに左ジャブを合わせることを徹底し、反撃を最小限のところで食い止めた。ガードの内側を通すパンチは軽いながらも着実にダメージを与えた。スピードに自信があるからできる技術だ。

 ただ、採点は予想以上の大差がついた。傾向としてラスベガスは手数重視でポイントを振るとは聞くが、好打が多かった中盤は村田にもう少し与えてもよかった。採点ほどの実力差があったとも思わない。

 村田は五輪で金メダルを取り、プロでもミドル級世界王者になり、今まで日本人選手ができないことをやってのけた。突っ走ってきたから、今はとにかく休んでほしい。(元WBC世界バンタム級王者)

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