若林正恭オジサン 「ナナメに見る」改めたら羞恥心減って楽に

スポーツ報知
「気合を全面に!」という要求には照れながらポーズを取った若林正恭(カメラ・相川 和寛)

 人気お笑いコンビ・オードリーの若林正恭(40)が3冊目の著書「ナナメの夕暮れ」(文芸春秋、1296円)を出版した。2015年8月から今年4月まで雑誌「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)に連載したエッセーと、書籍用の書き下ろしで構成した一冊。人見知りで素直になれない「生き方音痴」に悩んできたという若林が、「青年とおっさんの狭間(はざま)」で、生きづらさから解放されていく変化をつづった「自分探し完結編」だ。(土屋 孝裕)

 病んでいた精神書くことで治療 2010年に月刊誌「ダ・ヴィンチ」でエッセーを書き始めた。14年末から半年間、休載したものの、連載が終了した今年4月まで8年間、月に一度、テレビではあまり見せない自分の内面も書き続けた。

 「8年間通して考えると、書くっていう作業が、その時に思っていたことの確認になっていた気がします。元々今の言葉で言うと精神的に『病んでる』ので、書くことが治療になってたのかも。読み返して見ると、最初のエッセーが『趣味なんていらない』、最後は『趣味がないと生きていけない』。本当に俺が書いたのかなって思うやつもあるぐらい、物事をナナメに見てましたね」

 08年のM―1グランプリ準優勝。ブレイクを機に、「初めての社会」で悪戦苦闘する様子を書いたエッセーは共感を呼び、連載中の13年に書籍化した「社会人大学人見知り学部 卒業見込」はベストセラーになった。本作「ナナメの夕暮れ」は、15年からの後半3年間で構成。今月20日に不惑を迎えたばかりだが、この3年間を「青年とおっさんの狭間」と記した。

 「20代の頃って劣等感をごまかすために、例えば全員がそろうライブのエンディングで前に出てくる芸人さんを『よくやるな』なんて、否定的に見ていたんです。でも、そうすると自分が前に出ていけなくなることに気づいてきたんです。オジサンになってきて、たまの休みをはしゃげないとつらい。ちょっと改めようかなって。年々、恥ずかしいと思うことが減ってきて楽になってきたのかな」

 「ナナメ」に見る事をやめることで、行動にも変化があった。20代では「俗物がやるもの」と真っ向から否定していたゴルフが大きな趣味の一つとなった。今年のホワイトデーは、初めてもらった全員にお返ししたという。

 「ナナメ―」は8月末の発売から2週間で10万部を突破。初めてのキューバ一人旅を書き下ろし、昨年7月に発売した「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」は、優秀な旅行記に贈られる「斎藤茂太賞」を受賞するなど、文才は高く評価されている。高校時代から読書好きで、今も月7~8冊のペースで読む。

 「本を5冊ぐらい持って、本屋の椅子に座って片っ端から読んでいくのが好き。30ページ読んで、面白かったら買います。最初の3ページだとフルスイングで大振りをかませるので(買って)失敗する時もあるんですけど、30ページを超えたら確実なんで。原点は高校時代に読んだ村上龍さんの『69 sixty nine』。校長室で大便をするってシーンがあったり、めちゃめちゃワルだなって思ったんです。小説って頭がいい人が読むと思われてるけど、ヤバいヤツが読むもんだと思ってます。だから僕の安心材料にもなる」

 作家・若林の今後が気になるが、「一冊書き終わったし、正直しばらくはいいかな」と、当面は“封印”する。ニッポン放送「オードリーのオールナイトニッポン」10周年を記念した企画で、来年3月に日本武道館でのライブが控えており、しばらくは本業のお笑いに全力投球だ。

春日が少し成長漫才作り楽しい 「今は漫才を作るのが楽しいんです。M―1からの10年間で、俺というより春日が変わりました。M―1の頃は春日ができることが狭かったんです。でも春日も10年間でテレビのロケとかいろんな挑戦をして、今更ですがちょっと成長した。春日のできることが広がったんで、ネタ作りの範囲も広がりました」

 デビューからずっと緊張性の片頭痛に悩まされている。医師から「完全に治したかったら今の仕事をやめるしかない」と本気で言われたこともあるが、やめるという選択肢はない。

 「人に笑ってもらうことより、自分が笑うのが好きなんです。誰かで笑うことがないと、生きていくのがしんどい。テレビの世界ってすっごい面白い人がいる。ザキヤマさん(山崎弘也)とか、俺ずっと笑うから。それが好きなんですよ。最近はバカにされることがダメージにならなくなったのか、頭痛は減ってます。あまりにも羞恥心が減ってきてて、この流れでオヤジギャグを言うようになったら怖いですね」

 ◆若林 正恭(わかばやし・まさやす)1978年9月20日、東京都生まれ。40歳。東洋大文学部在学中の2000年4月、日大二中・高時代の同級生・春日俊彰とお笑いコンビ・ナイスミドルを結成。05年にオードリーに改名。現在はツッコミ担当。テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」(月曜・後11時15分)、フジテレビ系「潜在能力テスト」(火曜・後8時)などにレギュラー出演。特技はアメフト。169センチ。血液型O。

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