マドンナジャパン6連覇…里綾実が3大会連続MVP

スポーツ報知
閉会式後に行われた祝勝水かけで、橘田監督(中央)、と抱き合って喜ぶ里(右は谷山)カメラ・軍司 敦史)

 【ビエラ(米国)31日=軍司敦史】侍ジャパン女子代表「マドンナジャパン」が決勝で台湾を下し、08年松山大会から6大会連続の優勝を果たした。初回にヤクルト・川端慎吾の妹・友紀(29)=埼玉=の投強襲打などで2点を先行。その後も着実に点を加えた。先発のエース・里綾実(28)=愛知=は5回を投げ6安打無失点。3大会連続のMVPを受賞した。

 若手とベテランが融合した新生マドンナジャパンが、新たな歴史を作った。最終7回、マウンド上の田中露朝(22)が最後の打者を二飛にうちとると、里らナインは万歳しながら輪に飛び込び指を突き上げた。WBSCの野球部門では史上初の女性優勝監督となった橘田恵監督(35)は3回宙を舞い、「選手が良く耐え、一つになってくれました」と感謝した。

 5連覇まで監督・コーチとして支えてきた大倉孝一氏(55)が前大会後、駒大監督に就任。運営でW杯に携わっていた履正社高女子野球部を率いる橘田監督がマドンナジャパンを引き継いだ。足を使ってかき回す日本らしい野球はそのまま、過去の実績にとらわれず走攻守のうち複数の仕事を任せられる選手を中心に選んだ。その結果、20人中12人が初選出と、前回より平均年齢が2歳低い(21・3歳)、高校生3人を含む若いチームができあがった。

 国際大会での経験不足を不安視する声もあったが、大会が始まると問題が露呈。試合には勝つものの選手が緊張し、1次ラウンドのカナダ戦では2安打、相手の四球やミスなどで何とか乗り越えたものの、続くキューバ戦では“新人監督”のあせりが選手に伝わり「自分自身がチームを沈没させてしまった」(橘田監督)。原因に気づいたチームは、ようやく歯車が回り始めた。

 ベテラン組も初選出組をサポートした。里は、かつて大倉前監督からかけてもらった「日本は連覇しているが、今(大会)のチームはまだ世界一になっていない」という言葉でプレッシャーから解放され、攻められたと後輩に伝授。先輩の「楽しめ」の言葉に助けられたという主将の出口彩香(26)=ハナマウイ=も「下の子の良いところを発揮させたあげたい」と目をかけた。木戸克彦ヘッドコーチ(57)=阪神=も同様で、年齢の離れたマドンナたちを関西弁で和ませながら「プロ野球で得たいろいろなことを、一つでも伝えたい」と親身になった。

 決勝では里が毎回のように走者を出すも、後続を断ち切るピッチングで無失点。一方で調子の上がらなかった初選出組の阿部希(19)=ハナマウイ=は適時打などで活躍。最優秀守備選手に選ばれ「未熟さも分かった一方で、すばらしい経験もできた」と笑顔を見せた。里は日本を出発する際に、3度目MVPを宣言していたが、有言実行に「ほっとしました。やってきたことが評価された」と喜んだ。

 選手時代、日本代表に3回落選した経験を持つ橘田監督。指導者として日本代表のユニホームを着て世界の頂点に立ったことで「野球大好きな女の子の(選手でなくてもかなえられるという)夢になってくれれば」と語る。先輩から積み重ねられた連勝は、これで12年のカナダ大会の途中から続き30に。マドンナジャパンの魂を受け継いだ20人は、6個目のトロフィーとともに凱旋(がいせん)する。

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