◆ACL準々決勝▽第1戦 鹿島―天津権健(28日・カシマ)
鹿島は27日、茨城・鹿嶋市内で天津権健戦に向けた最終調整を行った。公式会見に出席し、先発出場が確実なDF犬飼智也(24)は「ホームなので必ず勝つ。それだけです」と大一番を見据えた。
◆ミカンなど栽培
犬飼はJリーガーでは極めて珍しい農業高校の出身(静岡農高)。農家を営む祖父の影響で進学し、生徒1人ひとりに区分される畑でミカンなどを育てた。夏の甲子園で「雑草魂」「平成の百姓一揆」などと言われ準優勝した金足農(秋田)をテレビで応援していたといい「力は他の高校の方が上なのに。すごいと思って」と刺激を受けた。
「相当の覚悟を持って」(犬飼)、今季から代表センターバック2人がそびえ立つ鹿島に加入。合流初日の練習でMFレオシルバと激しく衝突したが「これを求めていましたから」と鹿島の伝統でもある試合さながらの練習姿勢に興奮を隠せなかった熱血漢だ。
◆「来たボールはじくだけ」
日本代表DF植田直通のベルギー移籍、同DF昌子源の負傷離脱と苦しい台所事情の中で公式戦13試合連続フル出場中。「課題ばかり見えてくる」としながらも成長を重ねている。「来たボールをはじくだけ。90分通して隙を作らないこと」。金足農のような雑草魂で、クラブ初の4強へ導く。(岡島 智哉)