【二宮寿朗の週刊文蹴】大黒将志、J2通算100得点はさすらいの矜持

 流浪のストライカーが“勲章”を手にした。

 J2栃木の大黒将志は18日、ホームで行われた福岡戦で史上初となるJ2通算100ゴールを達成した。このメモリアル弾が今季10得点目となり、3シーズンぶりに2ケタ台に乗せた。38歳ながら、その得点感覚に衰えの色はない。

 今季、思わずうなった彼のゴールがある。4日の岐阜戦、2得点目のシーン。カウンターからペナルティーエリアの角付近でボールを受け取ると、GKの頭上を越す超・技ありのループシュートを決めたのだ。

 多くのクラブを渡り歩いてきた。G大阪でプロキャリアをスタートさせ、フランス、イタリア、中国でもプレーした。期限付き移籍した栃木で12クラブ目となる。

 どこでプレーしようとも、ゴールを奪うだけ―。14年には京都でJ2得点王に輝く。彼の言葉が胸に残っている。

 「昔、ガンバのユース時代に監督の西村(昭宏)さんから“どこで誰とやろうと、いいプレーできるのがいい選手”って言われたことがあって、確かにその通りやと思いました。僕は、どこでやったってできると思っているんです」

 妥協は一切ない。京都では欲しいタイミングでパスをもらうべく、練習からしつこいぐらいに要求していた。試合が終われば映像で自分のプレーをチェックする作業を欠かさない。「自分のポジションがどうやったか、自分の動きに相手がどう反応していたんか。もっとこうしたほうが良かったんかなというのは常に思い描いていますよ」。己に厳しい要求を突きつけて、ここまでやってきた。

 彼はこうも語っていた。

「いろんなチームに行くことによって点を取る“幅”は間違いなく広がっている。何も言わなくてもパスが出てくるチームにいるだけだったら、たぶん広がっていないですよ」

 積み上げたゴールの数は、さすらいの矜持(きょうじ)である。

(スポーツライター)

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