好調の巨人・内海は過去に戻ったわけじゃない…高い壁を越えて見つけた新境地

完封勝利にガッツポーズの内海
完封勝利にガッツポーズの内海

 巨人・内海哲也投手(36)が7月31日のDeNA戦(横浜)で自身4年ぶりの完封勝利を挙げた。終盤の8回、9回になっても141キロ、142キロと140キロ以上を連発。「完封はもうできないと思っていた」という快投を成し遂げた。

 今季9試合に先発して4勝2敗、防御率2・11。5回未満の降板は一度もなし、4失点以上の試合も一度もなしという安定感だ。

 「内海はもう終わった、と思っている人もいるかもしれないけど、何とか復活できるように頑張りたい。もう一花咲かせたい」

 11、12年に2年連続最多勝を獲得した通算132勝左腕。13年の13勝を最後に14年7勝、15年2勝、16年9勝、17年2勝で、プロ15年目の今年は開幕2軍。体調面は問題なく、競争に敗れて開幕ローテ入りを逃した。

 それでも、2月の春季2軍キャンプで小谷2軍投手コーチの助言を受けながらじっくりバランスの良いフォーム固めに着手。ファームの試合では春先から140キロ台を連発していた。近年に比べて明らかに直球に力強さがある。だから様々な他の球種も生きる。

 内海といえば20代の頃は直球、スライダー、カーブ、チェンジアップで実績を積み重ねた。9年連続規定投球回は先発投手として大きな勲章だ。それに加えて最近は「いろんなボールを使っていかないと抑えられない」と研究し、微妙に動かしてバットの芯を外すカットボールやツーシーム、フォークボールも本格導入した。以前まで投げていなかった左打者の外角へのチェンジアップも解禁し、投球の引き出しが格段に増えた。

 「復活」と言うと以前の姿に戻った、と思いがちだが、内海は過去に戻った訳じゃない。36歳。球種の数も、投球スタイルも変わった。多くの苦悩を乗り越えて「ニュー内海」になったと言えるだろう。長年、近くで内海を見てきた由伸監督も「良くなったというか、やっぱり年々体も良くも悪くも変化していくものだから。それで自分自身で今できる、自分に合ったことを必死にできているんじゃないかな。元に戻ったということじゃなくてね」とうれしそうだった。

 30代中盤を過ぎて新しいことにチャレンジし、良い結果に結びつけるのは簡単なことではない。内海は「自分ではあまりベテランとは思わないけど、周りがベテラン、ベテランと言うとそうなのかなと。今の現実を受け入れてやっていくしかないですよ」言う。現状維持でも過去の栄光を追い求めるでもない。前だけを向いて進んでいる。

 この姿勢は、仲間にも勇気を与えている。同学年の亀井は、「何歳まででも現役でいたい。できるなら一生やりたい。そのためには1年1年が勝負。テツ(内海)は今年が一つの壁だと思う。ずっと活躍してきた人間で年齢による衰えと言われるかもしれないけど、みんな知っている。あいつがものすごく練習しているのは。その姿にこっちは刺激をもらっているし、互いに1年でも長くという気持ちは同じだから」と話す。

 31日のDeNA戦。完封勝利した内海とレフトから駆け寄った亀井がマウンド上で抱き合って喜ぶ姿に言葉はいらなかった。

(巨人担当・片岡 優帆)

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