山根会長、出身地の選手ひいき「奈良判定」あった…アマボクシング連盟告発問題で審判証言

12項目の「告発事実」
12項目の「告発事実」

 国内のアマチュアボクシング競技を統括する日本ボクシング連盟(山根明会長)が12項目の不正を指摘された告発状の中で、不当な圧力をかけ試合結果を操作したとされる疑いについて、山根会長の意に反した判定を下し排除されたという2人の審判員が31日、スポーツ報知の取材に応じ、実態を証言した。絶対的権力を握る山根会長の出身地、奈良県の選手を負けさせてはいけないという「奈良判定」の存在を明かし、従わない場合は資格停止に近い「不当な罰」を与えられると訴えた。

 日本連盟が12項目からなる告発を受けた問題で、公式戦から排除されたという2人のA級審判員が審判不正疑惑の内情を告白した。ひとりの審判員は「山根会長以下、連盟幹部のお気に入りの選手に負けをつける公正な判定を下せば、まず排除される。『目には見えない圧力』があり、それが常態化していた。諸悪の根源は山根会長のパワハラだ」と厳しく断罪した。

 レフェリーやジャッジなどを務めるA級審判員は全国80人で構成され、全日本選手権など国内最高峰大会には山根会長が選んだ20~30人が派遣されるという。山根会長の意に反した判定を下すと、側近幹部から「隠語のように『お前は調子が悪いのか?』と言われる」と証言。さらに「審判員のミーティングで『この選手は山根会長がたくさん強化費を使ってるから負けさせたらいかん』という暗黙のルールみたいなのがあった。直接的に審判不正は強要されなかったが、会長お気に入りの選手に負けを付けたその日の夜に『帰れ』と言われ、大会期間中なのに交通費も支給されず帰らされた。それ以来、二度と公式戦に呼ばれなくなった」と明かした。ダウンした選手の安全を考え、RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)を適用したが、それ以降呼ばれなくなった審判員もいるという。

 別の一人は、審判員の間で暗黙の了解となっている「奈良判定」の存在を指摘した。山根会長出身の奈良県選手にひいきの判定を下すというもの。山根会長の息子で会長代行を務める昌守氏が、大声で審判をどなりつけた場面を目撃したこともあったという。「意に反した判定を下せばクビになるという恐怖があった。『それが当たり前』みたいにマヒしてしまい、私自身、マインドコントロールみたいな心境だった」と明かした。告発状でも指摘された審判不正疑惑。「疑惑ではなく事実だし(告発状に署名した)333人が証人だ。ボクシングを冒涜(ぼうとく)している。いまの組織を解体しなければ消滅してしまう」と訴えた。別の関係者によると、2度ダウンした奈良県選手が判定で勝利したケースもあったという。

 山根会長はこの日、取材の連絡がつかなかった。

 ◆アマチュアボクシングのルール 昨年改定され男女ともに3分3回制。採点方法は片方に必ず10点満点を振り分ける10点法(10ポイントマストシステム)。審判役員は全日本選手権や国体ではレフェリー1人、ジャッジ5人、DS(デビューティースーパーバイザー=審判管理員)で構成。KO、RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)以外は採点により勝敗を決める。

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