【センバツ】星稜、8回奥川同点も執念届かず

◆第90回センバツ高校野球大会第10日 ▽準々決勝 三重14―9星稜(1日・甲子園)

 史上初めて石川県勢2校が準々決勝進出を果たしたが、ともに県勢初の4強進出はならなかった。星稜(石川)は三重(三重)に9―14で競り負けた。3回に最大5点差をつけられたが、8回2死満塁から最速146キロ右腕・奥川恭伸(2年)の中前適時打で同点に追いついた。しかし今大会自責点0だった奥川が、この日2度目のマウンドに登った9回に三重打線につかまり、突き放された。日本航空石川(石川)は強力打線が沈黙し、東海大相模(神奈川)に1―3で敗れた。

 ベスト4の壁は破れなかったが、「逆転の星稜」の意地を見せた。92年大会で松井秀喜氏(43)と三遊間を組んで8強入りしている林和成監督(42)は、4―7で迎えた5回終了時のグラウンド整備の間、選手に暗示をかけた。「8回までに1点差に迫って、9回に2点取ってサヨナラ勝ちだ。逆転の星稜を見せるぞ!」。ナインは星稜の伝統でもある「必笑」をグラウンドで体現。引き離されても何度も食らいつき、県勢初の4強に肉薄した。

 最弱世代が、最高のチームワークではい上がった。新チーム結成当初、林監督は「就任して7年で下から1、2番に弱いチーム」と公言していた。1年秋からレギュラーを張る鯰田啓介中堅手(3年)は「一人一人のポテンシャルは、前チームより二回りぐらい下だった」と語る。エースで4番の竹谷理央主将(3年)を中心に、全員がお互いの良い所、悪い所を言い合い、冬場の努力を積んだ。

 そんなナインが、13年ぶりにセンバツに出場し、23年ぶりの白星を挙げ、92、95年の史上最高成績に肩を並べた。今大会13打数7安打の南保良太郎三塁手(3年)は「飛び抜けた選手はいなくても全員が一つのボールを追っていけば勝てることが分かった」。指揮官も「(昨夏の時点では)まさかセンバツ8強まで行くチームになるとは思わなかった」と頬を緩めた。

 8強の原動力となった奥川は、今大会3試合で16回0/3を投げて自責点3。打っては8打数4安打6打点。投打で輝きを放った。9回には1死も取れず決勝点を許したが「三重が迫ってくるのを感じた。それが壁。『まだベスト4には入れないんだぞ』と教わった。今大会は40~50点。夏の甲子園では100点をあげられるようなピッチングをして、全国制覇したい」と晴れやかな表情で語った。初の甲子園での269球の経験は、夏の飛躍への礎となるはずだ。(勝田 成紀)

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