山中、涙で「ふざけんな、お前!」ネリ体重オーバーで王座剥奪

リミットオーバーのネリ(手前)に向かって怒りをぶつける山中(カメラ・川口 浩)
リミットオーバーのネリ(手前)に向かって怒りをぶつける山中(カメラ・川口 浩)
計量をパスできず、結果が書かれたホワイトボードの奥で肩を落とすネリ(右奥)
計量をパスできず、結果が書かれたホワイトボードの奥で肩を落とすネリ(右奥)

◆報知新聞社後援プロボクシング・ダブル世界戦 ▼WBC世界バンタム級タイトルマッチ 前王者・ルイス・ネリ―同級1位・山中慎介(1日、東京・両国国技館)

 元WBC世界バンタム級王者・山中慎介(35)=帝拳=が、騒動を吹き飛ばす。ダブル世界戦(報知新聞社後援)の前日計量が28日に都内で行われ、相手のルイス・ネリ(23)=メキシコ=が53・5キロの制限体重をパスできない失態で王座剥奪となった。昨年8月に敗れた因縁の相手へのリベンジに人生を懸けてきた山中は涙とともに悔しがり、体重差のハンデを背負う試合でネリをリングに沈めることを誓った。山中が勝てば王座復帰、負けか引き分けなら王座は空位となる。

 午後1時から始まった計量。王者・ネリが先に計量台に上がった。30秒を過ぎても結果が出ない。不穏な空気が漂った。コールされたのは55・8キロで2・3キロも超過。「ふざけんな、お前!」。対面にいた山中は周りにも聞こえるような声を出し、ネリをにらみつけた。許せない。直後、自身が台に乗る時には目が潤んでいた。53・3キロで一発パス。カメラに向かいポーズをとると、表情は崩れ始めた。フードを目深に被ったネリに視線を送る。手で口を覆いながら涙を流し、控室に入った。

 そもそもクリアする気がなかったとも取られかねない2キロ以上の大幅超過。2時間の猶予が与えられ、午後3時2分に再計量に臨んだネリだったが、1キロ減にとどまり54・8キロで1・3キロオーバー。この瞬間に王座剥奪。試合は山中が勝てば新王者、ネリが勝つか引き分ければ空位のままとなることが決まった。

 計量時に感情をあらわにした山中は、午後3時半頃に取材に応じ「(『ふざけるな』は)信じられない思いで口から思わず出てしまった。本当に悔しかった。両者万全でやりたかった」と声を震わせた。3月1日のリングに命を懸けてきただけに、公平に戦えないことへの不満が募った。本田明彦会長(70)は「(ネリは)ひどすぎだよね。山中は勝っても負けても最後にしようと思ってやってきたんだから」と山中の胸中を思いやった。

 1階級上のスーパーバンタム級が制限体重55・3キロ。1回目の計量時と同程度まで戻すなら、ネリは2階級上のフェザー級相当となる。WBC、日本ボクシングコミッション、興行主の帝拳ジムで協議し、ネリは1日正午に当日計量を行うことが決定。58・0キロを超えれば何らかのペナルティーが科されるが、超えても試合は決行される。山中は「向こうも調子を上げてくる。それもルールなので」と受け止め、やり切れない気持ちを押し殺した。

 山中も試合までに体重は戻せるとはいえ、ネリは限界まで減量していない分、体力面でも山中のハンデが大きくなる可能性もある。真剣に合わせてきた山中は「それでも試合はあるので、気持ちを整えて頑張りたい」。昨年8月に敗れても現役続行を決意したのは、ネリに借りを返すためだった。家族、陣営の仲間、ファンのために全てを懸けてきた。思わぬ形で訪れる運命の日。リングに上がる神の左は、正々堂々と真の強さを証明するだけだ。(浜田 洋平)

リミットオーバーのネリ(手前)に向かって怒りをぶつける山中(カメラ・川口 浩)
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