東京五輪&パラのマスコット決定…貯金100万円以下の作者がジャパニーズドリームつかんだ!

 史上初めて小学生の投票で決定する2020年の東京五輪・パラリンピックの公式マスコットが28日に発表され、約20万票のうち過半数の10万9041票を集めた福岡市在住のフリーデザイナー・谷口亮さん(43)作成の近未来型キャラクターの「ア」が選ばれた。2児のパパでもある谷口さんは「フリーの立場なので収入が不安定」と明かし、現在の貯金も100万円以下と告白。地元・福岡で路上販売の経験もある不遇の実力派がジャパニーズドリームを手にした。

 発表会が行われた東京都品川区立の小中一貫校、豊葉の杜学園の体育館。最終候補3案の得票数が発表された瞬間、約560人の児童が大歓声を上げた。谷口さんの作品は10万9041票。2位以下を大きく引き離す圧勝劇だった。

 愛用のどてらを着用しながら会見に臨んだ谷口さんは、ぼう然としながら「もう頭、真っ白…」とひと言。「今まで賞なんて取ったことがなかったので、素直にうれしい」と喜んだ。昨年12月11日~2月22日に全国約1万6769校の小学校がクラス単位の投票を行った。谷口さんは勝因について「教育関係の会社の仕事をレギュラーでやってたのが、子ども向けには良かったのかも。とにかくシンプルを心掛けた」と分析した。

 夏はアロハシャツに下駄(げた)、冬は常にどてらという個性派。米国留学を経て、97年から福岡でフリーのキャラクターデザイナーとして活動開始した。「当時は天神で1個150円のポストカードを路上販売してました。まあ売れなかったですね」。ここ数年は「調子が良くなくてヤバイなあと思っていた」といい、定期的に受注していた仕事を切られることも数度あった。7歳の長女と5歳の長男を抱えながら一時月収は十数万円にまで落ち込み、現在の貯金も100万円を割り込んだ。

 今回の公募はフェイスブックで知り、下書き2分で仕上げてみせた。「手応えはありましたけど、今まで自信があった作品が落とされ続けていたんで…」と苦笑い。結果を最初に伝えたい人については「大好きな奥さん」と即答し「今月食費が少ないのでごめんね、と言ったこともある。ぜいたくさせたいのでギョーザ…いや、回らないスシを食べさせてあげたい」と飾らない言葉を口にした。

 今後は組織委のマスコット審査会が名前を決定し、7~8月にも発表。順次グッズやアニメ化などに着手する。マスコットのロイヤリティーは国際オリンピック委員会などに帰属するため、谷口さんが手にするのは100万円の賞金だけだが、早速新たな仕事が舞い込んでいる。IT大手の「ミクシィ」のXFLAG(エックスフラッグ)事業部が谷口さんの手腕を評価し、スマホ向けゲーム「モンスターストライク」のプロモーション企画協力のオファーを出す方針であることが判明。五輪効果で一躍人気クリエイターになることは確実だ。

 ◆谷口 亮(たにぐち・りょう)1974年9月5日、福岡県生まれ。43歳。中村学園三陽高校卒業後に4年間米国に渡り、カリフォルニア州のカレッジで水彩画などを勉強。97年に帰国し、フリーデザイナーとして活動を開始した。ベネッセの教育教材のキャラクターやCDジャケット、博多警察署・博多防犯協会の「いかのおすし」キャラクターイラストなどを手掛けた。

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