稀勢の里、圧巻の12秒初白星

北勝富士(右)を寄り切りで下した稀勢の里(カメラ・清水 武)
北勝富士(右)を寄り切りで下した稀勢の里(カメラ・清水 武)

◆大相撲初場所2日目 ○稀勢の里(押し出し)北勝富士●(15日・両国国技館)

 4場所連続休場からの復活を目指す横綱・稀勢の里が初白星を挙げた。昨年初場所後の横綱昇進以降4連敗中だった初日とは対照的に、2日目は全勝。先場所敗れていた東前頭筆頭・北勝富士を押し出し、綱で初の連敗発進なら皆勤すら危ぶまれた逆境をはね返した。同じく4場所連続休場明けで進退が懸かる横綱・鶴竜は、万全の相撲で2連勝。横綱・白鵬、豪栄道と高安の両大関も勝ち、3横綱2大関は安泰だった。

 稀勢の里が横綱相撲で復活への勝ち名乗りを上げた。立ち合いで北勝富士を頭でかますと、最後は左を差して寄り切った。圧巻の12秒7。新年初白星に国技館は千秋楽のような盛り上がりを見せたが、「まあ、集中してね。拍手? ありがたい」と、静かに喜びをかみしめた。

 初日は行司軍配差し違えで黒星。4場所連続休場からの再起へ、連敗だけは許されなかった。10日には北勝富士を目当てに八角部屋へ初めて出向き、「突き押しの力士とやると、いい仕上がりになる」と12番を重ね、相手を研究した。八角理事長(元横綱・北勝海)は「出稽古の成果。気合だよ。頭から行ったしね。いい相撲でした」と評価した。

 悩める和製横綱を復調へ導いた恩人がいる。昨年12月27日、入門時から慕う部屋付きの西岩親方(元関脇・若の里)から、高安とともに食事に誘われた。2月1日付で独立して西岩部屋を新設する兄弟子は、「嫌われてもいい」と意を決し、数年ぶりの会食で“贈る言葉”を用意していた。

 「今のままじゃ(初場所で)10番も勝てない。横綱でも泥まみれになってやらないと」。やっても1日10番と少ない稽古量が連続休場へつながったと言われた。翌日から連日30番以上を高安と重ね、ぶつかり稽古では背中まで砂まみれになった。「横綱になって(苦言を)誰も言ってくれない。本人はどうしていいか分からなかったんだと思う」と西岩親方。稀勢の里が20番で満足しかけると、「もっとやれ」と背中を押した。場所前の「戦う準備はできた」という横綱の手応えに偽りはなかった。

 「この白星は大きい。気持ちも乗ってくる」と、出羽海審判長(元幕内・小城ノ花)。1勝しただけで無数のフラッシュを浴びるのは注目の裏返しだ。「まだ、これから」。短い決意には、復活への手応えが詰まっていた。(小沼 春彦)

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