湯浅直樹、左ひざ骨挫傷乗り越え2大会連続3度目五輪へ…男子回転

49秒77で首位に立った湯浅の1回目
49秒77で首位に立った湯浅の1回目

◆スキー全日本選手権アルペン技術系 最終日(28日・国設阿寒湖畔スキー場)

 男女の回転が行われ、男子は日本のエース・湯浅直樹(34)=スポーツアルペンク、東海大北海道出=が2年ぶり4度目の優勝を飾り、2大会連続3度目の五輪代表に内定した。

 1回目でただ1人の49秒台となる49秒77でトップに躍り出ると、2回目も50秒96と安定した滑りで圧勝。今月18日にはMRI(磁気共鳴画像)検査を受けて、左ひざの骨挫傷と診断されたが、エースの貫禄をみせつけた。また、女子は旭川市出身の安藤麻(21)=東洋大=が4連覇を飾った。

 世界を知る男だからこそ、派手な喜びはなかった。トップで迎えた湯浅の2回目。大歓声の中でゴールラインを切ると、右手で軽く声援に応えた。2年ぶり4度目の優勝。来年2月の平昌五輪代表に内定しても、「何度目の日本一だろう。優勝は素晴らしいことだが、僕はその先(五輪)を見ている」と言い放った。

 経験が違った。この日の気温は氷点下13度。氷と化したハードバーンは、海外に匹敵する硬さだった。難しい急斜面に転倒する選手も多い中、湯浅は1回目でラップタイムの49秒77をマーク。首位に立った2回目も50秒96と、世界と戦うエースの意地をみせ「(2位に)2秒くらい離してやろうと思った」と、余裕の笑みを浮かべた。

 故障の不安も感じさせなかった。五輪の大舞台を見据えて今月18日、古傷の左膝のMRI検査を受けたところ、骨挫傷と診断された。一般的には約1か月の加療が必要とされるが、湯浅は「怖いことにスキーをしっかり使えると膝も全然気にならなくなった」。焦る気持ちを抑えて基本トレーニングに専念。スキーをずらさず、たわませてターンするコンパクトな滑りの姿勢をもう一度、作りあげたことで、不安材料は確実に消えた。

 さあ、3度目の夢舞台へ挑む。2006年トリノ五輪では男子回転で7位となり、アルペン競技としては日本勢50年ぶりの入賞を果たした。だが、湯浅は言う。「五輪はメダルを獲得しなくてはいけないと痛感した」。56年コルティナダンペッツォ五輪で猪谷千春が銀メダルを獲得して以来、歴代エースが届かなかった悲願のメダル獲得を誓った。(清藤 駿太)

 ◆湯浅 直樹(ゆあさ・なおき)1983年4月24日、札幌市生まれ。34歳。9歳でアルペンスキーを始める。札幌琴似中では走り幅跳びで全国中学3位。札幌商(現北海学園札幌)では2002年のインターハイ回転で優勝。五輪は06年トリノ(回転7位)、14年ソチ(同2回目途中棄権)と2度出場。昨季のW杯では10戦中7戦でポイントを獲得した。177センチ、72キロ。家族は妻と1女。

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