巨人・杉内が少年に熱弁した漢字のいい話「吐く」から「-」取ると「叶う」

野球教室で、巨人時代の上原のユニホームを着た子どもからの質問に、笑顔を見せる杉内
野球教室で、巨人時代の上原のユニホームを着た子どもからの質問に、笑顔を見せる杉内
野球教室で、子どもとキャッチボールを行う杉内
野球教室で、子どもとキャッチボールを行う杉内

 巨人・杉内俊哉投手(37)は今オフ、積極的に野球教室に参加している。自主トレの合間に時間を作り、関西や九州など各地に足を運ぶ。活動の根底にあるのは子どもの野球離れ、野球人口減少に対する危機感だという。「微々たるものだけど、続けられる限り続けていかないといけない」と力を注ぐ。

 1日という限られた時間のため、杉内は難しい技術の話を詰め込みすぎないことを心がけるという。野球のおもしろさや魅力を伝えようと、質問コーナーを長めに設けたり、楽しめるメニューも入れて工夫する。

 12月17日、福岡・太宰府での野球教室もそうだった。自ら打者を務めて少年と1打席対決を行うなど盛り上がり、あっという間に予定の時間が過ぎた。迎えた閉会式。杉内は最後に伝えたいことがあった。マイクを手に取り、120人の小学生の前に立った。

 「みんな夢はあるかな。野球選手になるとか、いい会社に入って成功するでも何でもいい。夢に向かって努力することはすごく大事なんだけど、人の悪口を言わない、愚痴を言わない、人のせいにしない。この3つを忘れないで欲しい」

 熱く語るその姿に、子どもたちは目をキラキラ輝かせて聞き入った。「杉内先生」はさらにこう続けた。

 「吐くっていう漢字を思い浮かべてみて。口の右側にプラス(+)マイナス(-)と書くよね。ここからマイナスを取ったら何ていう字になるかな。叶うという字になる。うまくいかないと、つい人のせいにしたくなっちゃうかもしれないけど、愚痴とかマイナスのことを言わなようにしよう。そうすれば夢はきっと叶うと思うから」

 野球教室の途中にあった和気あいあいとした雰囲気と違い、引き締まった空気の中で行われた即席の熱血授業。保護者も含め、最後は大きな拍手が送られた。

 この言葉は杉内自身が大切にしている考え方だという。15年10月に右股関節の大手術を受け、昨年は1軍登板なし。今年は股関節は良好だったが、4月に左肩痛を発症した影響で2年連続1軍登板なし。長く苦しいリハビリ生活にも弱音や文句を言わず、プラス思考で乗り越えてきた。

 野球人口拡大、子どもたちに夢を与えるため、必ずカムバックする。これが今の原動力だ。「待ってくれているファンのためにも、諦めるわけにいかない。気持ちを切らすのは簡単だけど、切らしてしまったら終わりだから」という言葉が強く印象に残っている。

 11月下旬からノースローで様子を見ている左肩の回復は順調。年内はトレーニングに専念し、完全復活を目指して年明けに投球を再開する予定だ。どんなに逆境でも決してネガティブな言葉を吐かない杉内。「もう一度1軍で」という思いが叶うと信じ、前だけを見て戦っている。

(記者コラム・片岡 優帆)

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