登坂、左膝の影響で“強制棄権”…会見場で号泣

◆レスリング 全日本選手権第3日(23日・駒沢体育館)

 昨夏のリオ五輪女子48キロ級金メダルの登坂絵莉(24)=東新住建=は無念の棄権となった。50キロ級初戦の2回戦で加賀田葵夏(青山学院大)と対戦。10月に負傷した左ひざの影響などで本来の動きを見せられず7―4で辛勝。試合後に日本協会の栄和人強化委員長(57)が記者会見場に姿を見せ、準決勝(23日)の棄権を命じた。本人も涙ながらに受け入れ、復活Vはお預けとなった。

 思わぬ場所で、試合を止める“タオル”が投げられた。2回戦後の会見場。登坂が、23日の準決勝への意気込みを問われた時だ。一歩離れたところで様子を見ていた栄強化委員長が、目に涙を浮かべて口を開いた。

 「ここまで頑張ったのは分かる。よく頑張った。でも、ストップする。出たいかもしれないけど、悪化したら困る。棄権しよう」。左膝と左足首に氷を巻きつけたリオ五輪48キロ級女王は「分かりました」と号泣しながら受け入れた。関係者によると、栄委員長が取材中に棄権を命じるのは「記憶にない」という。

 1月に左足親指付近を手術。9月に復帰したが、10月に左膝と左足首のじん帯を損傷。練習ではスパーリングを再開していたが、調整不足は明らかだった。4―4の第2ピリオド途中、片足タックルで相手を倒してリードを奪い、終了間際には反撃を必死の形相で振り切った。「出るからには関係ない」とけがの影響を認めなかったが、タックル回避の動きは鈍かった。

 今大会は20年東京五輪の新階級区分を初めて実施した。「新階級で試合がしたかった。もう一回、出直したい」と登坂。2大会連続の金メダルへ、経験値を増やすための強行出場だった。栄委員長は「悪い方の足を取られると我慢できない。接戦で勝つとしたら、かなりダメージを受ける」と治療を優先させる方針。今後は慎重に、完全復活への道を歩む。(高橋 宏磁)

 ◆リオ五輪後の登坂のこれまで 今年1月に慢性的な痛みがあった左足親指付近を手術。9月の全日本女子オープン選手権でリオ五輪以来、約1年ぶりに実戦復帰を果たした。10月に都内で合宿中、実戦形式の練習で投げ技をこらえようとした際に左膝と左足首のじん帯を損傷。全治約3か月と診断された。

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